食生活の乱れや肥満体質になることで引き起こされる「脂肪肝」。場合によっては命に関わる事態にもなりかねない病気ですが、ちゃんとした生活と食生活をこころがけるだけでも、脂肪肝を防ぐことができます。今回は脂肪肝について解説していきます。

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「脂肪肝」とは


肥満になると体に悪い影響をもたらすというのは、人も犬も同じことが言えます。肥満になってしまうことで、運動不足を招き、さらに悪循環に陥ることも懸念されます。今回取り上げる「脂肪肝」は、まさに肥満体質が引き起こす、肝機能に影響を与える病気です。

犬の生命を維持するために欠かせない「肝臓」ですが、肝臓は解毒作用、ビタミンの生成、ホルモンの生成、タンパク質などの合成・分解、消化酵素を作り出すと行ったように、体内では非常に重要な役割を果たしています。

正常な犬の場合、食事で摂取した脂肪は、腸から吸収されると脂肪酸に分解されます。その脂肪酸は血液中のアルブミンというタンパク質によって肝臓へと運ばれますが、エネルギーとして消費されなかった脂肪酸はTG(トリグリセリド)という形に変わり、そのまま肝臓に蓄積されます。

蓄積されて初めて症状が見られるように

肝臓に蓄積された脂肪酸はTGという形に変わった後、TGはアポプロテインと呼ばれるタンパク質と結合し、リポプロテインとなって、再び血中へと送り出されるのですが、脂肪酸が多すぎると、肝細胞に過剰に脂肪が溜まり、肝臓が機能しなくなってしまいます。これを「脂肪肝」と言います。

犬の脂肪肝の恐ろしいところは、脂肪酸がどんどんと蓄積されていってしまい、蓄積の状態が末期の状態にならないと、その症状が現れないということです。また、末期の脂肪肝は肝硬変を併発してしまっている可能性が高いので、十分に注意しなければなりません。

では、脂肪肝が起きてしまうと、具体的にはどのような症状が体に現れてくるのでしょうか。その原因や症状について見てみましょう。

脂肪肝の症状について

先述したように、犬が脂肪肝を発症しても、末期にならないと症状が現れません。

末期状態の脂肪肝は、肝細胞が脂肪へと変わることで、肝細胞が消失し、肝臓はどんどん小さく萎縮して硬くなってしまい、やがて肝硬変を引き起こしてしまいます。しかし残念ながら、ひとたび肝硬変になってしまうと、治療による回復が見込めないため、残念ながら長生きすることは難しい状態になるでしょう。

また、脂肪肝の末期になると、肝機能がほとんど働かなくなるため、食欲不振の症状が目立って現れる様になります。この他、下痢や嘔吐といった症状や、歯茎などに黄疸が見られるようになります。

さらに症状が進んでいくと、下痢や嘔吐を繰り返すために脱水症状や体重の減少が起こります。さらには、肝臓で尿素へと分解されるはずのアンモニアが、そのまま血中から全身へと流れるため、意識障害や痙攣を引き起こすなどの神経症状も見られるようになります。

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脂肪肝の原因とは


脂肪肝の原因に関しては、2通りが考えられます。まずは、糖尿病や高脂血症などの慢性疾患など、脂肪肝ではない他の病気を発症してしまっているために、脂肪肝を併発してしまうものです。

そして、脂肪肝を引き起こす一番の原因は、食生活によるものです。愛犬をとても可愛がり、欲しがるままにドッグフードやおやつを与えてしまった結果、肝臓に脂肪が蓄積されて脂肪肝になってしまうのです。

高脂肪食や高タンパク質のドッグフードを与え過ぎるなど、バランスの取れていない食生活や、運動不足やストレスがかかるような生活環境なども脂肪肝を発症する主な要因となります。

ドッグフードはバランスを考えて作られているものですが、飼い主さんが安易に考えて食べ物を与え続けることは、病気を引き起こす要因にもなりかねないのです。

脂肪肝の原因は「生活環境」も大きなポイントに

この2つに共通して言えることは、愛犬を肥満にさせてしまっているということでしょう。

糖尿病や高脂血症などの慢性疾患も、肥満が原因によって発症してしまう場合が多いのです。肥満は百害あって一利なしです。愛犬を肥満にさせないよう、バランスの取れた食事や運動をさせるなど、生活環境の見直しをすることが大切です。

ドッグフードの給餌量をしっかりと守って与えているでしょうか。
おやつを与える回数や、一度に与えるおやつの量は適正でしょうか。
しっかりとカロリーを消費できるような生活、運動を行っているでしょうか。

犬が肥満を引き起こす要因はいくつか考えられます。病気を引き起こすことで脂肪肝を引き起こしているのであれば、何かしら対処が必要になってきますが、日頃からの生活で肥満を引き起こしているのであれば、飼い主さんがしっかりと飼育状態を改善しなければ、愛犬は病気に苦しんでしまうことでしょう。

脂肪肝の治療について

脂肪肝を発症してしまった場合には、まずは脂肪肝を引き起こしている原因の解明が必要になります。上記に挙げたような原因が思いつく場合には、その要因を突き止め、改善することが必須となります。

脂肪肝の原因が、糖尿病などの他の病気である場合には、原因となる病気を治すこと・症状を抑える事が必須となります。元を経たなければ、脂肪肝も回復しないので、原因となる病気を克服することが急がれます。

また、同時に脂肪肝の症状を緩和させるための対処療法も行われます。犬が脂肪肝を発症すると、食欲不振になり、食事を摂らなくなってしまうため、エネルギー源として体脂肪を使おうとしますが、そうすることによって、ますます脂肪酸を増やしてしまい、結果的に、肝細胞に過剰に脂肪が溜まり、肝臓が機能しなくなってしまいます。

治療が遅れると最悪の自体にも


上記のように、脂肪肝を発症し、食欲不振になり始めると脂肪酸の蓄積や肝臓機能の悪化といった悪循環が引き起こされてしまいますが、こうした状態や悪循環を防ぐためにも、点滴や強制給餌を行い、エネルギー源としてグルコースを与え、なるべく体脂肪を使わないようにさせるというような対処療法が行われます。

脂肪肝を実際に発症してしまうと、肝硬変を併発してしまっていることがあるため、わずか1週間程で命を落としてしまうケースも少なくありません。ただし、幸い命をとりとめ、順調に治療を行っていった場合でも、1ヶ月近くは余談を許さない状況が続きます。

犬が自発的に食事を摂取することが確認されなければ、脂肪肝の症状が治まったわけではないため、飼い主さんが強制給餌しなくてはいけない場合もあるでしょう。

脂肪肝にならない・させないために

最悪の場合、命の危険も伴う脂肪肝。確かにポッチャリ犬って可愛いのですが、これは非常に危険な徴候でもあります。

脂肪肝を発症しない・させないためには、日頃からの食生活、生活環境が非常に重要な要素となります。

栄養バランスのとれた食事は当たり前のことですが、毎日の食生活が乱れることで、脂肪肝のみならず、様々な病気を引き起こす結果となりますので、しっかりとした食生活を送らせるようにしましょう。

特に、人間が食べる物を犬に与える行為は、塩分や糖分が多く、非常に危険です。犬は一度食べ物を与えてしまうと味を覚えるため、再度欲しがったりもします。脂肪肝にならないよう、はじめから人間の食べ物は与えるべきではないでしょう。

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食事の管理はドッグフードの種類から

現在与えているドッグフードは、愛犬に適したドッグフードでしょうか。ドッグフードにも色々な種類がありますが、どのドッグフードもすべての犬に適しているとは言えません。

最近では高タンパク質なドッグフードも多く販売されるようになっており、より犬の体に適した内容のドッグフードも多く登場してきました。犬にとってタンパク質は必要不可欠なもので、主に動物性タンパク源からの栄養を摂取するのが理想的と考えられています。

しかし、日頃から運動量の少ない犬や、病気をすでに引き起こしている場合、こうした高タンパクなドッグフードも体に悪影響を与えることもあります。しっかりと愛犬の健康状態を把握し、より消化に良い、適したドッグフードを選ぶように心がけましょう。

肥満にならないよう、運動の管理も

脂肪肝を予防するために、食事にだけ気をつけるのではなく、飼育環境の改善にも努めることが大切です。

毎日の散歩へ出掛けることによって、必要な運動量を確保できる他、愛犬のストレスが発散できる重要な時間となるでしょう。人間の場合でも同じことが言えますが、「食べては寝て」を繰り返していると、病気を引き起こしてしまいます。

私たち人間の健康管理も、犬の健康管理も何ら違いはありません。しっかりと食事を摂取し、しっかりと運動を行うことで1日の消費カロリーを摂取しているのです。

病気になってからでは思うように体重を落としたり、思うように運動させることは難しくなるばかりか、食事制限も出てきますので思うように食べ物を与えることができなくなります。こうなる前に、愛犬と運動する時間を増やすようにしてあげましょう。

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