老猫なると、色々な病気にかかりやすくなり、発見が遅れると命取りになることもあります。愛猫の病気の早期発見に繋げるためにも、病気に対する正しい知識を身に付けることが肝心です。そこで、今回は老猫がかかりやすい病気を幾つかあげてみましょう。

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年を取るということ

「年を取る」と、若い頃に比べると免疫が落ちて、病気にもかかりやすくなったり、病気もなかなか完治しなくなります。
「年を取って」運動量が減少することで、エネルギーの消費量も減り、今までと変わらない食事を摂っていれば肥満になることもあります。

愛猫が「年を取る」と言うことは、必然的に様々な病気と向き合っていかなければいけないということです。後で「知っておけば良かった」と後悔することがないよう、愛猫がかかりやすい病気を事前に知っておき、普段からスキンシップを兼ねた健康チェックをして、万が一病気が見つかった場合でも早めに処置ができるように備えましょう。

腎不全

老猫が最も多く発症すると言われているのが腎不全です。
猫は元々乾燥した地帯で生息していた動物のため、本来あまり水を飲まなくても生きていける性質を持ちます。そのため、濃縮された尿が体内で蓄積されることにより、腎臓や肝臓にかなりの負担を強いる体質になってなっており、15歳以上の高齢を迎えた猫は、3頭に1頭が腎不全を患っているとも言われています。

腎不全は、腎臓の3分の2以上が侵されないと症状が現れないので、症状に気付いた時にはかなり進行が進んでいるという怖い病気です。初期の症状としては、多飲多尿、食欲の低下、嘔吐、口臭がきつくなる、痩せてくる、毛艶が無くなるなどの症状が見られ、やがて、貧血や痙攣も起こりはじめ、やがて昏睡状態になって命を落とす結果となってしまいます。

腎臓病の予防策としては、食事療法が一番有効的であると言われており、獣医さんと相談して、腎臓の負担を軽減するため、タンパク質を制限した食事を取り入れるのが良いでしょう。普段からバランスの良い食事を心掛けることが何よりの予防となります。

悪性腫瘍

猫の平均寿命が延びたためか、猫も癌などの成人病にかかるケースが増えてきました。特にリンパ節や肝臓、膵臓に発症することが多いリンパ腫にかかる子が多いと言われています。また、猫免疫不全ウィルス(猫エイズ)と猫白血病ウィルスに感染している子は、非感染の猫に比べ、75倍以上の確立で発症するとも言われています。

高齢の猫は消化器型リンパ腫にかかりやすく、下痢や嘔吐、血便などの症状があります。リンパ腫は全身様々な場所で発症するしますが、発症した場所によって治療や症状も異なります。治療しなければ、進行が早い病気なので1~2ヶ月で亡くなりますが、治療しても再発が多い病気でもあり、余命が1年以内の極めて厳しい病気であると言えるでしょう。

また、避妊手術をしていないメス猫に多く発症するのが乳腺腫瘍であり、乳房に小さなしこりが数個または複数個でき、しこりが大きくなると表面が破れたり、出血したり、ただれることがあり、痛さのせいで、抱かれることを嫌がるようになります。

避妊手術をしていないメス猫の乳腺腫瘍の発症率は、避妊済みのメス猫に比べ、7倍の確立で乳腺腫瘍を患うことがありますので、出産予定のないメス猫を飼育されている方は、避妊手術をすることをお勧めします。また、体のどこかにしこりが無いか、日頃からボディチェックをしましょう。

甲状腺機能亢進症

8歳以上の高齢の猫がかかりやすいと言われる甲状腺機能亢進症とは、甲状腺が肥大することで、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。また、甲状腺の腫瘍や悪性腫瘍が原因となって甲状腺機能亢進症を患うこともあるようです。

甲状腺機能亢進症の症状は、食欲旺盛で活発になるため、一見元気になったのかと勘違いされ、発見が遅れてしまうことがあります。そのうち、多飲多尿、脱毛や毛艶が悪くなったり、食欲旺盛なのに痩せてくるという症状が見られ、さらに進行すると、下痢や嘔吐、食欲が無くなり、元気も無くなってきます。

この病気は、早期発見で早期治療が大切であり、先述した通り、初期症状が元気があるように間違われることがあるため、発見が遅れがちになります。高齢なのに、急に活発になったり、モリモリご飯を食べているのに痩せてきたと感じたら、早めに獣医さんの診察を受けましょう。

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尿結石

尿管、膀胱、尿道の中に砂や石のような結石ができる病気で、この結石に刺激されることによって、膀胱や尿道を傷付けたり、尿道に詰まることでおしっこが出なくなります。特にオスは、尿道が細長くカーブしており、先端も細くなっているため、尿道に結石ができやすいと言われています。

「トイレの回数が増える」「少量のおしっこしか出ない」「おしっこをする時に痛がる」「おしっこがキラキラ光って見える」「オシッコの臭いが前よりきつくなった」などの症状がある場合は要注意です。また、おしっこが2日以上出ない場合は緊急を要します。

尿結石は、ストレスや肥満、食事の変化などが大きな要因と考えられており、また、猫は元々水をあまり飲まないので、「結石」を作りやすいと言われているため、日頃から愛猫の健康管理や尿チェックは欠かさず行いましょう。

さいごに

体力や免疫力が低下した老猫にとって、病気の早期発見はとても重要なことです。
「元気はあるか」「痛がっている箇所はないか」「しこりはないか」など、話せない愛猫の代わりに、普段から愛猫の様子を観察したり、愛猫の体を触るなどのスキンシップを取り、体の異変にいち早く気付いてあげられることが大切です。そのため、シニア期(7歳以上)に入ると、定期的に(最低でも年に1回以上)健康診断を受けることも必要です。

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