人間でもよく耳にする「リウマチ」という病気。犬にもリウマチが存在しますが、犬の場合には年齢に関係なく発症し、若年の犬でも関節リウマチを発症するばかりか、進行も早いという特徴があります。今回は関節リウマチに関して解説していきます。

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関節リウマチとは

普段の愛犬との生活で、愛犬の座り方がおかしかったり、歩き方がおかしいと感じたことはないでしょうか。こういった様子を見せていた場合には、もしかすると愛犬が関節や骨の病気を発症している可能性もあるのです。

人間でも聞いたことがあると思いますが、リウマチという病気は犬にも存在します。関節リウマチ、もしくはリウマチ様関節炎とも呼ばれるこの病気は、関節の病気ではありますが、その原因となるのは、実は犬の免疫力なのです。そのため、免疫介在性多発性関節炎とも呼ばれます。

この関節リウマチを好発しやすいと言われる犬種は、シェットランドシープドッグやシーズー、ミニチュアダックス、マルチーズ、プードル等の犬種が挙げられます。また、ジャーマン・シェパードやシャーペイ、秋田犬といった犬種では、同じ関節リウマチでも特異な症状が見られる場合があります。

とはいえ、上記に挙げられた犬種でなくとも発症する可能性があり、リウマチと聞くと高齢の病気をイメージしますが、犬の関節リウマチでは年齢に関係なく発症する恐れがあるのです。そのため、日頃の愛犬の生活している様子を、注意深く見る必要があります。

関節リウマチの症状とは

関節リウマチは手首や足首など、犬の四肢の末端の関節に症状が現れることが多く、肘や膝にも症状が現れる場合もある病気で、関節リウマチを発症することで、こうした部位が腫れ上がったり、痛みがあるために足を引きずって歩いたりといった症状が現れます。
また、こうした症状が現れるのは1箇所にとどまらず、複数箇所に発症したり、左右対称に症状が現れたりもするのです。

このように患部に症状が現れる他にも、熱が出たり元気が無くなったり、食欲の減退といった症状も見られるようになります。愛犬が足を引きずって歩いていたり、階段の昇り降りに時間がかかっていたり、座ったり立ち上がったりする動作が鈍い・遅い、関節に触れられるのを嫌がるといった様子があれば、すぐに病院に診察しに行くようにしましょう。

関節リウマチはどんどん症状が進行していく病気なので、こうした状態を放おっておくと、関節が変形してしまい、痛みもまして、歩行することができなくなる場合があります。また、若年であればあるほど、病気の進行するスピードも早いと言われています。

関節リウマチの原因について

関節リウマチの原因は、未だにハッキリと解明はされていません。ですが、犬の免疫力に関係しているという事は判明しております。
免疫力と聞くと、体内でウイルス等と戦い、体の健康を維持してくれているイメージですが、この免疫機能が自身の関節を攻撃してしまうため、関節リウマチが引き起こされているのです。この攻撃してしまう理由が、解明されていない部分なのです。

こうして、異物として攻撃されてしまった関節は、体の免疫機能によって破壊されてしまい、「びらん性関節炎」もしくは「非びらん性関節炎」いずれかの関節リウマチを発症してしまいます。

また、犬がもともと何かしらの免疫疾患を患っている場合にも、関節リウマチを併発する場合があります。この場合に関しては、元となる病気・免疫疾患が原因だとわかりますが、関節リウマチを発症する大半の犬は、前述のとおり、原因不明で発症する場合が多いのです。

関節リウマチの治療について

関節リウマチを発症した場合には、痛みや進行を緩和するための対症療法が行われます。また、患部が関節であることから、肥満体質の犬は更にリスクがかかります。肥満体質である場合には、体質改善や体重を落とすために、食事の管理などをするようにし、肥満体質の改善をすることも必要になってくるでしょう。

患部の症状は遅くとも3〜4ヶ月程で収まる場合が多いようですが、再発する確率も高いため、その後も上手に病気と付き合っていく必要があります。
また、投薬治療を行う際には、関節リウマチの原因となる免疫力をコントロールする必要があるため、「グルココルチコイド」と呼ばれる薬が投与されます。しかし、効果が期待できる反面、長期的に投与することで「クッシング症候群」と呼ばれる、ホルモンの異常が原因で発症する病気を引き起こす場合もあるのです。

そのため、症状が緩和されれば、できるだけ投薬治療に頼らないような生活を送る事が理想となります。

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関節リウマチにならないために

原因が解明されていない関節リウマチ。100%予防すると言うことは無理ですが、万が一発症した場合には、早期発見・早期治療ができるように注意深く、犬の日頃の行動を見るようにしましょう。また、万が一発症してしまった事を考えると、肥満体型である事は、病気の進行を早めてしまうと言うことも、認識しておきましょう。

関節リウマチを発症してしまった場合には、できるだけ関節に負担をかけないことが重要です。激しい運動はもちろん、肥満体質はすぐに改善するようにしましょう。とはいえ、まるで運動させないのも体に毒となります。

散歩程度の運動など、適度な運動をさせなければ、体は弱っていくばかりか、病気に耐えられる体つくりもできなくなってしまいます。体に良い食生活を送らせるようにし、適正体重を常に維持できるような生活環境を整えてあげましょう。

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