「オリエンタル」という猫をご存知でしょうか?見た目はシャム猫のようです。猫には様々な種類があり、それぞれ特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあります。今回は、猫種の一つ「オリエンタル」についての特徴をチェックしてみましょう。

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オリエンタルとは

オリエンタルは、シャムから作られた猫種なので、見た目はシャムとそっくりです。被毛の長さから、「オリエンタル・ショートヘア」と「オリエンタル・ロングヘア」がおり、オリエンタルの毛色は300種類以上とバラエティに富んでいます。

それでは、今回は見た目はカラフルなシャムである、オリエンタルについてルーツや性格など解説していきましょう。

オリエンタルのルーツ

オリエンタルは、第二次世界大戦後の1950年代に作出された比較的新しい猫種で、この頃、戦争の影響でシャムも他の猫種と同様、頭数が激減して絶滅の状況に陥っており、シャムの品種や頭数を復活するために、他の猫種との異種交配が行われていました。

この時、「ポイントカラー(耳や顔の真ん中、四肢の先端や尻尾の先に濃いカラーが入ること)」がないシャム(サイアミーズ)を作ろうと、シャムに「アメリカン・ショート・ヘア」や「ロシアン・ブルー」、「アビシニアン」を掛け合わせた結果、「チョコレート」「白」「ブラック」「タビー」などのシャムが生まれ、これがオリエンタルが誕生したきっかけとなりました。

その後、1977年に「オリエンタル・ショートヘア」という名称で、世界最高の猫血統登録団体「CFA」に登録されました。オリエンタルの長毛種に関しては、シャムに長毛の遺伝子が紛れ込んで生まれた突然変異の種類で、昔は不要であると排除されていましたが、近年では、ブリーダーたちの努力によって「オリエンタル・ロングヘア」として認める血統登録団体が増えているようです。

オリエンタルの性格

活発で好奇心旺盛なオリエンタルは、とにかく遊ぶことが大好きです。

部屋中を走り回ったり、高いところに登ったり、飛んだり、ぶら下がってみたり・・・。ずーっと遊んでます。周りから見ると、落ち着かない猫と思われることも多々あるでしょう。しかし、賢くて順応性が高いところもあるので、しつけに困ることはないでしょう。どんなことも覚えてしまいますが、イタズラなども早く覚えて、遊びに変えてしまうところもあります。

オリエンタルの性格は、「ワガママ」「自己中」「ツンデレ」ですが、これがオリエンタルならではの可愛いところでもあるのです。また、他のペットとの飼育も可能ですが、自己顕示欲が強いので、自分が一番でないと気が済まないというところもあります。ないがしろにすると拗ねてしまうので、お姫様のように扱ってあげましょうね。

こんなオリエンタルですが、とても愛情深く、シャムよりも甘えん坊なところを持ち合わせており、信頼できる飼い主さんがいると、その人にぴったり寄り添い、ゴロゴロ言いながら甘えてきたり、気を引こうとアピールしてきます。そんな姿を見せられたら、どんなイタズラをされても許してしまいそうですね。

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オリエンタルの被毛

オリエンタルの被毛は、短毛種と長毛種があり、それぞれ「オリエンタル・ショートヘア」と「オリエンタル・ロングヘア」と呼ばれています。ショートヘアは、光沢があり、サテンのような肌触りなのに対し、ロングヘアはシルクのような肌触りです。ロングヘアと言っても、5cmくらいのセミロングの長さになります。

オリエンタルの被毛のカラーは、シャムのような「ポイントカラー」と呼ばれるカラー以外、全てのカラーが認められており、そのカラーの種類は、なんと300種類以上もあると言われています。

オリエンタルがかかりやすい病気

【アミロイドーシス】
アミロイドという水に溶けない異常なタンパク質が、様々な臓器や組織の中にある細胞と細胞の隙間に沈着することにより、内臓機能に障害を起こす病気です。猫が発症することは少ないのですが、オリエンタルは比較的発症することが多いとされています。

多飲多尿、食欲不振、体重減少、元気消失などの慢性腎不全の症状が見られたり、体が浮腫んだり、腹水といったネフローゼ症候群の症状も伴うことがあります。また、このアミロイドーシスが脾臓に付着した場合、糖尿病を引き起こすこともあります。

【糖尿病】
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの分泌が低下したり(インスリン依存型糖尿病)、インスリンの作業が阻害される(インスリン非依存型糖尿病)ことで、細胞に必要なエネルギー源であるブドウ糖を細胞内に取り込めなくなり、血糖値が異常に高くなることで発症する病気です。

「たくさん食べるのに体重が増えない」「多飲多尿」など症状から始まり、更に病状が進行すると、膀胱炎などにかかりやすくなり、最終的には意識障害や昏睡状態に陥り、死に至る場合があります。
糖尿病は、ストレスと肥満が原因で発症しやすいと言われていますので、日頃からストレスにならないよう気を付け、食事の管理や運動不足には注意しましょう。

オリエンタルと暮らすために

とても活発で、遊び好きなオリエンタルは、大型種類ではないものの運動量がやや多いため、上下運動ができるようなキャットタワーは必須アイテムです。また、飼い主さんや家族と一緒に楽しむことを好みますので、スキンシップも兼ねて、「猫じゃらし」や「ボール」などで遊んであげるととても喜びます。

また、オリエンタルは、とても寂しがり屋な性格なので、できれば飼い主さんの愛情を独占できる環境が望ましいですが、やむを得ず、長時間の留守番をさせることが多い家庭では、多頭飼いを検討した方が良いかもしれません。しかし、シャム譲りの神経質さも持ち合わせていますので、多頭飼いをする場合は、愛猫の年齢がまだ若いうちに迎え入れるなどの配慮が必要です。

オリエンタルは、小さい体の割に声が太く、よく鳴き、発情中は特に声が大きくうるさいため、近所迷惑になることがあります。繁殖の予定が無いのであれば、若いうちに去勢・避妊をすることを視野に入れることも考えた方が良いでしょう。

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