強い痒みと脱毛や発疹を伴い、猫を苦しめる「ノミアレルギー」。一度ノミに寄生された場合、恐らく部屋中に卵が落とされているかもしれません。ノミに対しての知識を高め、ノミによる被害を再発させないためにも、ノミの行動を知っておきましょう。
皮膚やアレルギーの病気について
人にも皮膚の病気や疾患があるように、猫にも皮膚の病気は存在します。皮膚病には、痒みを伴うものもあれば、痛みも伴うものもありますが、人同様に見た目も痛々しくなってしまい、カサカサになるものや、ジュクジュクした状態になったりと、様々な症状が見られます。
原因となるのは、外的要因・内的要因それぞれが当てはまるのですが、外的要因である場合にはダニやノミといった寄生虫によるものが目立ちます。内的要因には、食物アレルギーや環境アレルギー等が挙げられ、アレルギーが原因で皮膚病を発症したりする場合もあります。
こうした皮膚病にならないためには、それぞれの皮膚病に対する予防策が必要となりますが、中には環境を整えるだけでも防げるものもあります。では、具体的な対処法について見てみましょう。
「ノミアレルギー」とは？
ハウスダストの原因でも知られる「ノミ」。猫に寄生することでも知られますが、猫に限らず動物全般に寄生することがわかっています。このノミに寄生されてしまうことで、「ノミアレルギー性皮膚炎」を発症してしまいますが、非常に強い痒みを伴い、皮膚もひどく荒れていってしまう病気です。
また、怖いのはこれだけではなく、ノミは卵を産み、絨毯やクッションなどに落ちていくのです。そして、その後は孵化をし、成長を繰り返していくため、ノミにとって好条件の環境であれば、どんどんノミが増えていってしまうのです。
ノミはどんな虫？
猫のノミアレルギー性皮膚炎を引き起こす原因となる「ノミ」。猫の体に寄生するノミは「ネコノミ」と呼ばれる1〜2mmのノミで、このノミが体に寄生することでノミアレルギーを引き起こします。
ノミは卵から幼虫、サナギ、成虫というライフサイクルを送りますが、わずか２週間程度で成虫へと成長します。恐ろしいのがその繁殖のスピードですが、１匹のノミが猫に寄生し、約８分以内には吸血を開始、その後、2日以内に産卵を行い、1日に30個ほどの卵を産卵します。
その後も1〜2ヶ月ほど猫の体に寄生し、吸血と産卵を繰り返すため、わずか数日の間に数千匹、数万匹と大繁殖していってしまうのです。そして、前述の通りノミの卵は体から落ち、あらゆるところに飛散していくため、あっという間に部屋中がノミの繁殖地と化してしまうのです。
ノミアレルギーの症状について
ノミが猫の体に寄生してしまうことで、強い痒みと発疹、脱毛といった症状が見られはじめます。また、ノミアレルギーを引き起こした猫は皮膚が痒いために、壁に体を擦りつけたり、体をかきむしってしまうことで皮膚が傷ついてしまい、次第に皮膚はどんどんと荒れていきます。
その結果、更に皮膚炎の症状が悪化してしまうことになり、今度は患部が化膿してしまったり、他の細菌に感染してしまい「膿皮症」を併発してしまったりもします。
こうしたサイクルを繰り返し、どんどんと患部は広がっていってしまい、猫の体はボロボロになっていってしまいます。このサイクルを一日も早く断つことが、ノミアレルギー性皮膚炎を完治させる近道となるのです。
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強いかゆみを伴うノミアレルギーの症状
非常に強い痒みを伴う猫のノミアレルギー性皮膚炎。かゆみの原因は、ノミの唾液やノミの糞が原因で引き起こされる「ノミアレルギー」による反応です。
ノミが猫の体に最も寄生しやすい場所が、腰あたりから尻尾の付け根辺りと言われています。症状が出始めるのも、こうした箇所が中心となる場合が多いでしょう。
しかし、猫は自分で毛繕いすることが多く、患部を舐めてしまい、このような症状が出ているにも関わらず、ノミを見つけられないことがありますので、飼い主さんによる毎日の被毛のお手入れは必須になるでしょう。
また、常時強いかゆみに襲われているために、猫自身もストレスが溜まり、しっかりと寝付けなかったり、苛々がつのってしまったりもしてしまいます。
ノミアレルギーの原因について
ノミアレルギー性皮膚炎の原因となる「ネコノミ」は、猫だけでなく犬や他の動物、人間にまで寄生します。このノミは、宿主の血を吸って生きていきますが、体の上で産卵し、子孫を残していきます。
ノミの卵は、0.5mm程度の非常に小さな「米粒」のようなもので、肉眼で確認できる場合もあります。この卵は、動物が動く度に下に落ちていき、ソファや絨毯のすき間へと落ちていきます。やがて、適した温度や湿度になった頃を見計らって孵化するのです。
こうして孵化し、さなぎ〜成虫となったノミが猫に寄生し、血を吸って産卵を繰り返していくのです。そのため、多頭飼育している場合には他の動物にもノミが寄生している場合も高く、感染が広がっていくのです。
ノミの寄生で感染する病気
ノミは「蚊」のように血液を媒介する存在としても知られています。ただし、蚊はメスのみが吸血しますが、ノミに至ってはオス・メス関係なく吸血を行う虫です。
例えば、感染病にかかっている猫がノミに吸われ、そのノミが他の猫や犬に寄生してしまった場合には、ノミが感染病を媒介して感染病が拡大する可能性があるのです。
こうなってくるとノミアレルギー性皮膚炎だけに留まらず、取り返しのつかない感染病を患ってしまうという可能性も高くなってくるのです。ノミに咬まれただけと安易に考えていてはいけません。少なからず、ノミに咬まれたということは、感染病に感染するリスクも有ると言うことを理解しておきましょう。
ノミアレルギーの治療法について
ノミアレルギーを発症した場合には、痒みを抑えるための抗アレルギー薬の投与に加え、早急にノミの駆除を行う必要があります。また、猫を飼育している場所の掃除も欠かせません。
先ほども触れたように、ノミの卵が絨毯やソファといった場所に落ちているはずです。卵と言っても、ノミが寄生し、血を吸い始めてからわずか数日で産卵をはじめます。そのため、ノミが寄生し症状が出始めている場合には、ほぼ確実に卵を生んでいる可能性が高いのです。
また、卵の状態から成虫へと移行するまでの期間には、長短あるものの、卵の状態でも2週間は生存ができ、幼虫の段階であっても20日程度は生存ができるのです。そのため、せっかく治療をしていても、数日後にはまた寄生される恐れがあるのです。多頭飼育をしていても、していなくても、部屋の掃除は重要な予防策となります。
ノミアレルギー性皮膚炎を予防する薬
ノミアレルギー性皮膚炎を治療・予防するための薬ですが、基本的には治療というよりかは駆除薬となります。患部を治療するのはまた別の薬となりますが、根本となるノミを駆除するため、ノミの駆除薬が利用されます。
有名なところでは「フロントライン」と呼ばれる薬になり、体に直接液体を垂らすスポットタイプや、飲み薬のタイプがあります。今でも多くの犬や猫に使用される薬ですので、副作用の心配もほぼ無いと言って良いでしょう。
ただし、駆除薬の効果も約一ヶ月ほどですので、ノミがより多く活動する時期などでは毎月の投薬が必要となります。まずはノミがよりつかないようにする事がだいじですので、わすれずに投薬を行うようにしましょう。
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ノミアレルギー性皮膚炎の治療費はいくらくらい？
ノミアレルギー性皮膚炎の治療費は、どのくらいを予定しておくと良いのでしょうか。
ノミアレルギー性皮膚炎の治療を行う際には、まずは対症療法として痒みを抑えることや、患部の殺菌が行われます。薬には塗布薬や投薬による治療が行われるでしょう。
治療費としては5000円以内で収まる程度ですが、前述の通り、ノミのライフサイクルを絶たなければ、猫のノミアレルギー性皮膚炎を完治させることは難しいでしょう。
根本的な解決となるのはノミを駆除することとなりますので、対症療法のほか、猫を飼育しているスペースの大掃除が非常に大事となります。ノミの被害を食い止めなければ、いつまで経ってもノミアレルギー性皮膚炎の被害に遭い続けてしまうことでしょう。
ノミアレルギー性皮膚炎にならないために
ノミアレルギーを予防するためには、まずは飼育している部屋、自宅内の部屋の掃除が重要となります。
ノミを繁殖させないような環境を作り、また、予防策として猫にもノミ予防をした方が良いでしょう。これには、飲ませるタイプのものや、体に液体を垂らして刷り込ませる「スポット」タイプがあります。完全とまではいきませんが、ある程度のリスク回避が望めるため、気になる場合には予防措置を取るようにしましょう。
自宅内の掃除やこうした予防に加え、「ノミ取りブラシ」等でノミを少しでも取り除くようにケアを行い、ノミの繁殖を完全に断つようにしましょう。
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