犬に必要不可欠な栄養素の1つに挙げられる「コンドロイチン」。皆さんもご存知このコンドロイチンは、健康な体や丈夫な関節を維持するためにかかせないものです。今回はこの「コンドロイチン」と「グルコサミン」の関係について調べてみましょう。

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「コンドロイチン」とは?

人間でもお馴染みの「コンドロイチン」。サプリメントでお馴染となっていますが、関節の痛み・健康な関節の維持に効果のあるものとして、非常に有名なサプリメントになっていますね。

犬の世界でもこのコンドロイチンは有効なサプリメントとして認知されており、数々のコンドロイチンを含んだサプリメントが登場しています。

俗に言われる「コンドロイチン」とは、「コンドロイチン硫酸」の事を指しますが、このコンドロイチン硫酸は、軟骨や体の結合組織、粘液などに含まれているもので、軟骨の保水性を保つことで関節の動きを滑らかにさせる働きを持ちます。

関節における軟骨の水分量は8割を締めているため、いかにコンドロイチン硫酸による保水が大事かがわかります。

コンドロイチンが不足するとどうなる?


コンドロイチン硫酸が枯渇状態になってしまうと、軟骨の水分や弾性が無くなることで軟骨と軟骨が直接触れ合うことにより、その結果として軟骨がすり減ってしまい、動く度に関節部には強い痛みが感じられるようになるのです。

また、コンドロイチン硫酸は高齢になるにつれて、その割合も減少してしまうものなのです。そのため、高齢犬にとってコンドロイチン硫酸は、非常に重要なものとなっています。高齢犬に膝が弱かったり、動きが鈍くなるといった様子には、このような理由も関係しているのです。

一方、コンドロイチンとよくセットになって聞く「グルコサミン」。コンドロイチン硫酸が上記のような働きをすることはわかりましたが、グルコサミンの働きとはどのようなものなのでしょうか。

グルコサミンとコンドロイチンの関係

グルコサミンとは、軟骨の細胞を形成するために必須となる成分で、このグルコサミンから「コンドロイチン硫酸」が生成されています。簡単に言うと、軟骨を形成するのが「グルコサミン」、軟骨の健康を維持させるのが「コンドロイチン硫酸」という事になります。

ですので、サプリメント等でグルコサミン・コンドロイチンと並んで表記されるのには、こうして対の働きをする為に、グルコサミンだけではなく、その働きを助けるコンドロイチン硫酸を含むという意味合いで販売されているのです。

また、こうしてグルコサミンとコンドロイチン硫酸を分けている理由には、コンドロイチン硫酸には過剰症が懸念されるという理由もあるのです。そのため、グルコサミンだけのものもあれば、グルコサミンとコンドロイチン硫酸がセットになっているものもあるわけです。

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グルコサミンについて

グルコサミンは「グルコース」と「グルタミン」という成分から構成されており、すり減ってしまった軟骨を再生させるために必須の成分です。グルコサミンは、こうした軟骨のすり減りを再生し、そしてコンドロイチン硫酸を生成して、軟骨の健康を維持させています。

そのため、仮に関節炎を患ってしまった際に、単にコンドロイチン硫酸だけを摂取しても意味はありません。痛みを生じさせている原因となる軟骨は、その時点ですり減ってしまっているために、軟骨の再生を促しながら、水分を安定させていくようなイメージになります。

大型犬に多い股関節形成不全

高齢になることで、犬には様々な関節への悪影響が出始めてしまいます。とはいえ、高齢犬でなくとも関節に関する病気は存在します。あくまでも、高齢になることで発症率は高くなりますが、成犬であっても若年であっても、関節の病気になるリスクはゼロではないのです。

中でも代表的な関節の病気が、大型犬に好発すると言われている「股関節形成不全」です。股関節形成不全は、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。

特に肥満体型は、股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。大型犬の他にも、小型犬にも比較的多く見られる病気ですので、注意しましょう。

股関節形成不全の症状や要因


股関節形成不全が大型犬に多いと言われる要因になるのが、急激に成長したために起きる関節への負担です。前述の通り、股関節形成不全は肥満でも発症するリスクが高まると説明しましたが、大型犬の子犬の成長スピードが早く、関節への負担が増してしまうことが、股関節形成不全を引き起こしていると考えられています。

そのため、股関節形成不全は関節へのケアを行って行くのが大事になり、関節のケアを行うためにはコンドロイチンやグルコサミンを摂取するのが理想的と言えます。

とは言え、子犬の頃に過剰に栄養を摂らせたり、激しい運動を行うのは避けたいところです。あくまでも栄養は適度に与えるようにし、運動に関しても極度に運動させることのないようにしましょう。

椎間板ヘルニアも関節のトラブル

犬に見られる関節の病気には、股関節形成不全の他にも「膝蓋骨脱臼」や「椎間板ヘルニア」「レッグパーセス病」といった病気が挙げられます。

「ヘルニア」は比較的有名な病気の一つですが、「椎間板ヘルニア」は背骨と背骨の間でクッション材のように挟まれている「椎間板」とよばれる部分が変形してしまい、直ぐ側に通る神経に触れてしまうことで発症する病気です。

この椎間板は軟骨成分でできているため、コンドロイチンやグルコサミンが椎間板ヘルニアの予防策にも最適な成分となります。椎間板が変形してしまうのもまた、椎間板への無理な圧力が加わることですので、症状の緩和や予防策として、椎間板を丈夫にさせるコンドロイチンが有効というわけです。

犬の関節の病気


犬の関節の病気にもいくつかの種類がありますが、グルコサミンやコンドロイチン硫酸は、こうした関節のトラブルに対しての予防策や、症状を和らげる効果が期待されるものとなります。しかし、コンドロイチンを摂取しても、必ずしも症状が好転するわけでは無いということも覚えておきましょう。

また、グルコサミン等を摂取しても、翌日にはすぐに回復するという「薬」のような存在でもありません。あくまでも、長い期間で与えることで、良い効果を発揮する可能性があるというだけで、すぐに結果が現れるというものではないのです。

そのため、コンドロイチンとグルコサミンは、サプリメントなどを日頃から地道に摂取することが重要となり、常に関節のケアや愛犬のチェックをすることが大事なのです。

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ドッグフードにも含まれるコンドロイチン

コンドロイチンを摂取しようと考えると、サプリメントで摂取するのがすぐに思い浮かびますが、実はドッグフードにもコンドロイチンやグルコサミンが含まれている場合もあります。

多くはシニア用フードに含まれていることが多いですが、どんな犬もコンドロイチンは少しでも摂取しておきたい成分です。そのため、予めドッグフードにコンドロイチン・グルコサミンを含んでいるドッグフードも少なくありません。

こうしたドッグフードにはコンドロイチン含有といったようなキャッチコピーも記載されているので分かりやすいです。代表的なものではアボ・ダームというメーカーの関節ケア用のドッグフードが有名です。同時に皮膚のケアを行うことも出来ますのでおすすめです。

まとめ

犬にとってグルコサミンやコンドロイチン硫酸は、非常に有益な成分ではあります。しかし、こうしたサプリメントだけに頼っていてはいけません。軟骨を形成するのは、グルコサミンだけではなく、普段の食事から摂取されるタンパク質や脂質も大きく関係しているのです。

普段の食事からバランスの取れた栄養を摂取出来ていなければ、関節のみならず、他の病気も引き起こす要因となります。また、おやつの与え過ぎやクオリティの低いフードを与えている際にも同じことが言えます。

あくまでも愛犬の健康は、毎日の良質な食事から生まれます。グルコサミンやコンドロイチン硫酸はプラスαの要素と考えるようにし、まずは愛犬の栄養バランスを整えることから始めましょう。

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