子犬にとって何が良いのか悪いのか、何が安全で危険なのか、意外に知られていないことが多いようです。ここでは、子犬を迎えた時、どのような環境にし、どのようなしつけをしたら良いのかを考えてみたいと思います。
子犬を迎えたら
【子犬を迎え入れたら、まず子犬にとって過ごしやすい環境を作ってあげましょう。】
子犬が安心して休めるようなケージやサークルを用意し、家族が集まるリビングなどに設置すると、家族の目が行き届き、何かあってもすぐ対処できます。
ケージの中は、寝床とトイレを分けて置きます。留守番が長い家では、ケージを少し大きめのものを用意して、子犬が安心して休めるようなベッドを置くのも良いでしょう。
【部屋の気温は25℃以上で設定し、直射日光が当たらない場所にケージを設置しましょう。】
人が快適な温度だと感じていても、暖かい空気は天井へ溜まり、冷たい空気は床へ流れる性質があるため、床に置いてあるケージの中の体感温度は少し低くなります。また、子犬はまだ自分で体温調節ができないため、暑過ぎると熱中症になり、寒いと風邪をひいてしまいます。特に、毛の短いスムースコートの子犬や、ヘアレスタイプの子犬は注意が必要になりますので、飼い主さんの方で気を付けて様子を見てあげることが大切です。
【子犬にゆっくり休む時間を与えてあげましょう。】
迎え入れたばかりの子犬に多いのが、家族で子犬を構い過ぎてしまい、ストレスで体調を崩してしまうことです。恐らく、子犬を購入したペットショップでも、「連れて帰ってから1週間はケージから出さないで下さい」という説明があると思いますが、そのように言われる理由はこのためです。
可愛い子犬が家に来たら、嬉しい気持ちはよく分かりますが、「寝るのが仕事」である子犬にとって睡眠時間はとても大切なものです。また、子犬は遊びに夢中になると、はしゃぎすぎて疲れやすくなります。眠っている時は起こさず、遊び過ぎに注意しましょう。
トイレのしつけ
子犬が家に来てから一ヶ月くらいは、ケージから出さずに様子を見ます。ケージの中は安心できるものということを認識させるとともに、ケージの中でトイレをすることを覚えます。いざ、一ヶ月が経ってからケージから出すと、子犬自身がケージに戻って排泄をするようになるのです。
子犬を家に迎え入れ、すぐケージから出すような習慣を作ると、あちこちに排泄するようになり、そこら辺に排泄物の臭いが付き、なかなかトイレを覚えられません。
日頃から愛犬を観察し、愛犬の排泄タイムを知っておく必要があります。子犬は基本的に朝起きた時と、食事や水を飲んだ後、遊んだ後にトイレをすることが多いので、飼い主さんの方で前以て誘導してあげるのが良いでしょう。
そして、愛犬がトイレを成功させた時は、大袈裟なくらい褒めてあげましょう。この時、フードを一粒や、おやつをひとかけらあげるのも効果的です。愛犬がトイレを成功させた暁には「飼い主さんが喜んでくれて、尚且つご褒美まで貰える!」と張り切ってトイレを覚えるようになるでしょう。
しかし、逆に愛犬がトイレを失敗した場合、あまり強く叱らないで下さい。排泄行為=怒られる=「恐怖」と感じるようになり、隠れて見えないところで排泄したり、排泄行為自体をいけないことだと認識し、トイレを我慢して膀胱炎になることもあります。
愛犬が大きくなってきて、ケージが狭くなったら、ケージをトイレ専用にし、愛犬が普段使用しているベッドなどはケージの外に置いて生活するのも良いでしょう。
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子犬にとって危険なもの
子犬の周りには危険が沢山潜んでいます。私たちが普段生活している何気ないものでも、子犬にとっては危ないものが多いのです。子犬を家に連れてきてから一ヶ月くらいすると、ケージから出す機会も増えて、家の雰囲気にも慣れ、好奇心旺盛になり、家の中を探索したり、家にあるものを何でも口に入れたり、遊びに変えてしまいます。
まずは、子犬の行動範囲を決めます。例えば、来客などで玄関が開いてると、そのまま脱走してしまうかもしれません。もしかしたら、ベランダから転落することもあるかもしれません。台所は火を扱うので危ないし、お風呂場には浴槽にお湯があると飛び込んで溺死してしまいます。
さすがに、犬はジャンプしても、浴槽まで届かないと安心している方もいると思いますが、先述したように、子犬は家にあるものを何でも遊びに変えてしまうのです。実際、小型犬ほどの犬が水の入った浴槽に飛び込んで、飼い主さんが帰ってきたら溺死していたという話も聞きます。このように、家の中は決して安全ではないということを認識し、子犬が行って欲しくないところを決め、フェンスを置きましょう。
子犬の誤飲による危険性
子犬が口に入れて誤飲・誤食してしまうものもあります。その恐れがあるものを幾つかあげましょう。
【コード・ケーブルなど】
コードを噛みきって、金属部分が剥き出しになり、その部分を噛むと感電します。
【薬品・洗剤】
容器を噛みきって飲み込むと、中毒症状を引き起こして死に至ります。
【電池類】
電流が漏電して内臓に穴が開くことがあります。複数飲み込むと、胃と腸がくっつくこともあるようです。
【縫い針・釣り針など】
誤飲すると、胃や食道だけでなく、肝臓や肺、心臓などの周辺臓器までも傷付けることがあります。
【靴下・タオルなど】
間違って飲み込んでしまうと、腸閉塞の原因になります。特に使用済みの靴下やパンツなどは、愛犬にとって、大好きな飼い主さんの匂いがする恰好のおもちゃとなりますので注意が必要です。
【タバコ】
ニコチンを直接口から摂取すると、死に至る恐れがあります。
また、副流煙による様々な影響もあり、鼻が長い犬種は鼻腔ガン、鼻が短い犬種は肺ガンを発症するリスクが高くなります。また、呼吸器系疾患や、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を引き起こすことも多いようです。
喫煙する際は、空気清浄機や換気扇を付るというような配慮が必要です。
体のどこでも触れるように
一見「そんなこと?」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、子犬のうちに愛犬の体のどこでも触れるようにならなければいけません。これができないと、動物病院へ連れて行っても十分な診察も受けられず、トリミングへ連れて行っても、暴れるから・・・と言われて返されることもあります。
日頃から体の色んな部分を触る訓練をして、特に嫌がる場所(耳の中や口の中など)は褒めながら優しく声を掛け、でも根気強く触れるようにしておきましょう。
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