日本では圧倒的なネームバリューがあるキャットフード「カルカン(Kal Kan)」。日本のキャットフードを牽引してきたといっても過言ではないカルカンですが、今回はこのカルカンの内容や会社について調べてみたいと思います。

スポンサーリンク

キャットフードでお馴染の「カルカン」ブランドについて

日本でキャットフードと言うと、代表的な商品が「カルカン(Kal Kan)」ではないでしょうか。「ねこまっしぐら」のキャッチフレーズでもお馴染ですよね。

カルカンはマース社(マースジャパン)のキャットフードブランドの一つで、カルカンの他にも「アイムス(IAMS)」や「シーバ(Sheba)」、「ペディグリー(Pedigree)」、「ニュートロ(Nutro)」等のブランドを傘下に持つ企業です。

このカルカンですが、日本国内のシェアも大きく、なんとなく国内ブランドのイメージもなくはないですが、実はと言うと30年もの歴史を持つブランドで、現在では世界30カ国以上で展開しているブランドです。

日本ではカルカンの名前でおなじみですが、海外では「whiskas(ウィスカス)」というブランド名で展開されているようです。少し前までは日本のカルカンも「カルカン・ウィスカス」として展開されていましたが、現在はカルカンという名前だけで、ウィスカスの表記はなくなったようですね。

豊富なウェットフードのラインナップ

Three cats at their food bowls

カルカンはドライフードとウェットフードがラインナップされており、特にウェットフードのパウチのラインナップは「子猫用」で5種類、「成猫用」で16種類、「8歳〜用」で4種類、「11歳〜用」で6種類、「15歳〜用」で7種類、「18歳〜用」で3種類と、計41種類ものパウチが展開されています。

また、カルカンパウチで驚きなのが18歳〜の猫用があるという点ですね。近年の猫は食生活も昔に比べると良いものになってきているためか、長生きの猫が多くなってきました。こうした猫達に、より適したウェットフードはまだまだ少ないのです。

このように、高齢期の猫用としてラインナップされているのがカルカンのパウチシリーズです。18歳まで長生きしている猫も珍しくなくなったという事なのでしょうね。

パウチは「18歳用」のラインナップも

カルカンパウチは超高齢猫用のウェットフードがラインナップされていますが、どのような違いがあるのでしょうか。

11歳〜用以上のラインナップでは具材が細かくなっているといった工夫もされており、さらに15歳以上からは関節のケアにも配慮してグルコサミンが追加、さらに18歳以上〜のラインナップでは腎臓の健康維持に加え、より食べやすいようにゼリー状になっています。

高齢になると1年1年で体調や様子も大きく変わっていくため、高齢期に入る8歳から18歳以上までに対応したキャットフードは、飼い主さんにとっても愛猫の状態に合わせて与えることもできるので、非常に利用し易いものでしょう。

もちろん、年齢に関係なく、愛猫の状態に合わせても変えていけますので、より細かく別れていればいるほど、選択もし易いですね。

子猫用のラインナップは

超高齢猫用のラインナップも豊富なカルカンパウチですが、子猫用のウェットフードとしてはどうでしょうか。

ラインナップとしては「ゼリー仕立て」「スープ仕立て」のラインナップに加え、まぐろや白身魚がミックスされたウェットフード、チキンをメインとしたウェットフードが揃います。

子猫用のウェットフードは、フレークも食べやすいように小さくなっており、離乳後の子猫の離乳食としても最適です。スープ仕立ては離乳食のスタートとしても利用しやすいのではないでしょうか。

このように、カルカンパウチは離乳食として利用することもでき、1歳までは「子ねこ用」でカバーできる内容となっているため、子猫から安心して使い始めることが出来ます。

スポンサードリンク

ウェットフードの原材料と成分は

では、具体的にカルカンパウチの内容について見ていきましょう。例としてカルカンパウチの「まぐろ 18歳から」の原材料を見てみたいと思います。

第一主原料には「魚介類(かつお、まぐろ等)」が配合、続いて「肉類」となりますが、「植物性油脂」「小麦」となっているのは残念なところです。植物性油脂に関しては、油脂として絞る製法がきになるところ。また、小麦に関してはあまり消化にはよくないため、多くは必要のない原材料となります。

成分に関しては高齢猫用ですので、タンパク質と脂質のバランスは重要となります。8歳〜のまぐろと比較すると、タンパク質は6.5%以上から8.0%以上に、脂質は1.0%以上から2.0%以上となっています。

【カルカンパウチ まぐろ 18歳から】
魚介類(かつお、まぐろ等)、肉類(チキン、ビーフ)、植物性油脂、小麦、グルコサミン、調味料(アミノ酸等)、ビタミン類(B1、B2、B6、B12、E、K、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(Ca、Cl、Cu、Fe、I、K、Mg、Mn、Na、P、Zn)、タウリン、増粘多糖類、ポリリン酸Na、EDTA-Ca・Na、発色剤(亜硝酸Na)

【カルカンパウチ まぐろ 18歳から】
タンパク質:8.0%以上、脂質:2.0%以上、粗繊維:0.5%以下、灰分:3.0%以下、水分:86.0%以下

ウェットフードのカロリーは

同じく高齢猫用のカルカンパウチでカロリーを確認してみましょう。

8歳からのまぐろでは、1袋あたりのカロリーは40Kcal、18歳からのまぐろでは1袋あたり50Kcalという内容でした。食事の量も成猫に比べると少なくなってしまう老猫ですので、1食でしっかりとカロリーを摂取することができるよう、18歳以上用の方がカロリーは高めに設定されているようです。

ただし、ドライフードと混ぜて与えなければ1日に摂取カロリーとしては不足していますので、あくまでもドライフードを主食として、トッピングとしてカルカンパウチを利用すると言った使い方になります。

ウェットフードは同時に水分も取ることが出来ますので、食欲が落ちてきている時以外にも、夏場にも利用しやすいので、タイミングに合わせて利用するようにしましょう。

カルカンのドライフード

カルカンのドライフードも、幼猫用から成猫用はもちろん、高齢猫用では8歳から用、11歳から用、15歳から用と別れています。15歳以降になると顎や歯も弱ってきてしまっているので、ドライフードは向かないかもしれませんね。一方、原材料はどうでしょうか。成猫用を例に見てみましょう。

【カルカン 毛玉ケア かつおとチキン味】
穀類(とうもろこし、小麦等)、肉類(チキン、チキンエキス等)、植物性タンパク、大豆、油脂類(パーム油、大豆油等)、食物繊維(ビートパルプ等)、魚介類(フィッシュエキス、かつお、かつおぶし等)、野菜類(ほうれん草、にんじん等)、ビタミン類(A、B1、B2、B5、B6、B12、E、コリン、ナイアシン、葉酸)、ミネラル類(亜鉛、カリウム、カルシウム、クロライド、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、リン)、アミノ酸(タウリン、メチオニン)、保存料(ソルビン酸K)、着色料(赤102、青2、黄4、黄5)、酸化防止剤(クエン酸、BHA、BHT)、pH調整剤

残念ながら、安価なペットフードに多く含まれる酸化防止剤の、「BHA(ブチルヒドロキシアニソール)」「BHT(ブチルヒドロキシトルエン)」が含まれます。BHA、BHT共に、日本におけるペットフードの規定量(BHA、BHT、エトキシキンの単独量、もしくは合計量が150ppm以下)以下であれば基準値内ということで、使用が認められている食品添加物の一種です。

少量であれば安全

カルカンドライに含まれている酸化防止剤の「BHA」「BHT」は、前述の通り日本のペットフードによる規定では基準値内ではありますが、ラットによる実験で発がん性が認められた事もある成分でもあります。

実験では上記の数値の数百倍ではあるものの、発がん性が認められた添加物ではあるので、やはり安全かどうかと言えば、少量であればという気持ちにはなりにくいのではないでしょうか。

近年ではこれらの酸化防止剤を使用せず、天然由来の酸化防止剤(トコフェロールなど)へと移行していっている動きがあります。しかし、天然由来の酸化防止剤を利用すると価格も上がってしまうため、安価なキャットフードでは未だにこうした酸化防止剤を利用しているのが現状です。

スポンサードリンク

着色料も認められてはいるものの・・・

着色料に使用されている「赤102号」「青2号」「黄4号」「黄5号」に関しても注意が必要ではあります。海外の一部ではすでにこれらの着色料は使用することを禁じている国もありますが、日本に関しては着色目的であれば問題がないとされているものです。

これらの着色料は発がん性の危険や、アレルギーを引き起こす事もある成分として知られているため、近年では安価なペットフードではまだまだ見られるものの、多くのキャットフードでは見かけることも少なくなってきました。

安価なキャットフードでは、「飼い主さんに向けて」キャットフードをカラフルにして粒の見た目を可愛くしてみたり、野菜っぽい色づけや肉っぽい色づけをしています。これらは全て合成着色料によるものです。一方、無添加であるキャットフードではこうした粒よりも、内容にこだわったものが多くなっています。

さいごに


保存料に使用されている「ソルビン酸K(カリウム)」、成分のひとつ「セレン」に関してもグレーゾーンといった感じでしょうか。残念ながら、安価なペットフードに多く含まれるものがカルカンにも多く見られました。十分に安全なキャットフードを与えたいと考えているのであれば、あまり向いてはいない製品になってしまうでしょう。

価格も安価なため、第一主原料には穀類が配合されています。猫にとって穀類は消化のしにくい原料であるため、消化不良や肥満を引き起こす要因にもなります。国内でのシェアも大きいだけに残念な内容ではありますが、こうした企業がよい原材料で製品を作ってくれると、より愛猫たちの健康を守ることができるので、今後にも期待したいところです。

※内容は2017年2月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

スポンサーリンク