犬を飼う時に知りたい、犬の多頭飼いと他の動物達との飼い方と注意点

犬好きなら「犬に囲まれて生活してみたい！」そう思う方も多いのではないでしょうか。今回は多頭飼いをするにあたって、メリットとデメリットや注意点などを考えてみました。今後多頭飼いをしようと思う方の参考になればと思います。

多頭飼い

「一人で留守番させるのって可哀想だよね・・・」
多頭飼いをしようか考えてる方に、一番多い理由ではないでしょうか。

「でも、うちの子他のワンちゃん嫌いだし・・・」
そう思われてる方もいると思いますが、これには理由があるのです。

多頭飼いをするということは、今いる愛犬を成長させるどころか、飼い主である私たちも色んな事を気付かされることが多いように思います。
もちろん生涯1頭の犬を大切に育てるのも良いでしょう。新しくワンちゃんを迎えてから後で後悔することが無いよう、多頭飼いされる前にじっくり考えてみましょう。

多頭飼いのメリット

先住犬が留守番で寂しいと感じることは、1頭で育てられている頃より少なくなるでしょう。地震や雷などがあった場合、一人より二人の方が断然心強いですよね。

1頭で飼育されている場合、ほとんどの子に「自分が犬である」という自覚がありません。共に暮らしているのは人間なので、自分を人間だと思い込み、見慣れない犬を嫌う子が多いのです。また、甘やかして育てられた子は、自分が飼い主さんより立場が「上」であると勘違いして、ワガママになることがあります。

しかし、多頭飼いになると、先住犬が新人さんの躾をしてくれることによって犬社会が身につき、今まで「ボクが」「ワタシが」と言って前へ前へ出ていた子が、お利口さんになって我慢を覚えるようになります。
信じられないかもしれませんが、今までワガママで好き放題していた子が、新人さんが来たことによって我慢を覚えて何か物事を譲る姿を見ると、うちの子成長したなぁと実感できるのではないでしょうか。

スポンサードリンク

多頭飼いのデメリット

先住犬は多かれ少なかれ、新人さんが家に来たことに対して必ずストレスは持っているはずです。私たちに人間に置き換えると、急に家に知らない人間が来て、今日から一緒に暮らすことになったよと言われたら、誰でも嫌だと感じますよね？

しかも今まで飼い主さんを独り占めしてきたのに、強力なライバルが出現したわけです。
初めのうちは先住犬もこのストレスのせいで食欲が無くなったり、嘔吐や軟便・下痢になることもあるかもしれません。しかし、このストレスも初めのうちだけで、いずれ慣れれば症状は落ち着くでしょう。

また、犬がもう1頭増えるということは、食費やワクチンや診察代などの医療費、トリミング代、ペットシーツなどの消耗品代といった飼育費用がかかります。こういう費用も労力も時間も、単純に2倍になると考えた方がいいかもしれませんね。

多頭飼いで気を付けること

【先住犬を尊重すること】
ここで注意しなければいけないのが、新人さんは子犬とは限りません。里親など、先住犬より年上の子を引き取ることもあるかもしれません。この場合でも、先住犬の立場を「上」にするようにして下さい。後から来た子は年上でも年下でも立場は「下」にすることが大事です。

ご飯やおやつをあげる順番、ただいまの挨拶なども全て先住犬からにしましょう。ただ、イタズラや悪いことを一緒にした場合は、新人さんから叱ります。
あくまでも先住犬を優先にしてあげることが大事ですが、主導権は飼い主さんであることは忘れないで下さいね。

【性別によっては、虚勢・避妊をするのが良いでしょう】
オス同士飼育する場合はケンカになることもあるので、虚勢をすることをお勧めします。
オス・メスで飼育する場合、子供を産ませる予定が無いのであれば、様々な婦人病にかかりやすいと言われているメスを避妊させると良いでしょう。

【小さいケンカは止めなくても良いです】
群れで生活しているとコミュニケーションを取るためにケンカをすることがありますが、この場合は放っておいても構いません。「犬の揉め事は犬に任せる」ことです。しかし、小さいケンカでも、お互いが興奮してエスカレートし、大ケガする程のケンカになった場合は飼い主さんが仲裁に入ってあげましょう。ただ、先住犬と新人さんの体格差がある場合は小さいケンカでも大事になることもありますので、注意が必要になります。

多頭飼いが始まったら

先住犬は普段のままの生活をさせ、新人さんはケージなど囲いがあるものに入れて顔を合わせるのが良いでしょう。
いきなり新しく入った犬を部屋に野放しにすると、知らない場所に興奮してパニックを起こしたり、普段は大人しいはずの先住犬も、新人さんに驚いて噛むこともあります。

また、新人さんがウィルスなどの病気が無いとは限りません。新人さんが子犬の場合、持ち込まれる病気で多いのが、パルボウィルスなどの感染性のあるウィルス、ケンネルコフのような咳などで飛沫感染するウィルス、ダニなどの寄生虫、真菌などのカビによる皮膚病など、万が一病気を持ち込んだ場合でも感染を防げます。

早く仲良くさせてあげたい気持ちは分かりますが、ここは「急がば回れ」です。
ケンカによって、そのことがお互いのトラウマになると、心の傷の回復には時間がかかります。
「多頭飼いしてるんだけど、うちは相性が悪くて・・・」
こう話される飼い主さんは、会わせ方を間違えてしまわれた方が多いのです。決して相性だけの問題ではありません。

スポンサードリンク

新人さんにあまり気を取られないよう

新人さんに対しては、構い過ぎず、まるで居ないかのように振る舞いましょう。
大袈裟にいうと、これができるか、できないかでこの先、多頭飼いがうまくいくのか、いかないのかが決まります。

新人さんが家に来ると、慣れ親しんだ先住犬ではなく、新人さんにばかり目を向ける行為は絶対に止めましょう。確かに、可愛い子犬が家にいれば誰でも心奪われるでしょう。しかし、先住犬の気持ちになってみて下さい。「ボクよりそっちの方がいいんだ・・」といじけてしまう気持ち、分かりますよね？

せっかく家に迎え入れた新人さんを無視することなんて、可哀想でできないですよね。
しかし、新人さんが子犬の場合、ただでさえ環境の変化でストレスに感じています。子犬には、まずゆっくり休める場所を提供してあげることが必要です。
だからといって、放置はいけません。ご飯を食べているか、オシッコ・うんちはしているか、下痢や軟便になっていないか、ちゃんと眠っているか、具合が悪い様子はないかなど観察することが大事です。