愛犬が老犬になると、これまで以上に愛犬の食事に気を付けなければならなくなります。
では、なぜシニア用ドッグフードに変えなければいけないのか、今までと同じ食事ではいけないのかなど、シニア期を迎えた愛犬の今後の食事について考えてみましょう。

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なぜシニア用フードに変える必要が?

犬も人間と同じように、シニア期(7歳~)に入ると、若い時とは違って、消化機能が衰えたり、代謝機能が低下してしまい、成犬用のドッグフードをいつまでも与え続けていると、体調不良や肥満になることがあります。
また、犬は年を取ると、食事の量も減りますので、いかに少量のフードで、いかに十分な栄養を摂らなければいけないかが重要なポイントとなります。

飼い主さんは、今まで以上に愛犬の食生活に注意が必要になり、愛犬の年齢と体に合った質の良いシニア用のドッグフードを与えることが大切なのです。
「うちの子はまだまだ元気だから大丈夫!」
と思っていても、飼い主さんが気付かないところで、愛犬の体は徐々に老化を迎えているのです。

老犬に適した食事とは

【老犬は、成犬よりも質の良いタンパク質が必要】
タンパク質は、犬の筋肉を作る上で、大事な役割を果たします。犬も人間と同じで年齢を重ねるにつれ、どんどん筋肉が衰えていくため、筋肉を作るのに必須アミノ酸が必要不可欠になります。
そのため、犬が食事から摂取しなければいけない10種類の必須アミノ酸がバランス良く摂取できるように、良質なタンパク質が多く含まれている食事を選ぶ必要があります。

【低カロリー・低脂肪で消化の良い食事を意識する】
老犬になると若い時に比べて、基礎代謝が落ちたり、運動量が減るため、必然的に食事の量が減ってくるのですが、老犬になっても成犬と同じ食事を与えていると、肥満になってしまいます。肥満は足腰だけでなく、心臓に負担をかけたり、肝機能が低下することもあります。また、年を取ると消化機能も低下していく恐れがあるので、消化の良いフードを選びましょう。

【老犬の健康な体を維持するために必要なビタミン・ミネラル・コンドロイチン・グルコサミン】
ビタミン・ミネラルはエネルギー源ではないものの、タンパク質や糖分、炭水化物を体内でエネルギー変える大事な役割を果たします。

また、人間も同じですが年を取ると、自分の体重を支えるため、足腰に負担がかかりやすくなったり、関節炎になることがあります。そのため、老犬の骨格や関節を維持するために、コンドロイチンやグルコサミンが良いとされています。

これらの栄養素はドッグフードにも含まれていますが、サプリメントなどで別に摂取できるものもありますので、上手に活用しましょう。また、老化を迎えてからサプリメントを使用するのではなく、若いうちから飲ませた方が良いでしょう。

【老犬にとって重要な水とは】
老犬になると、自分で喉の渇きを自覚しにくくなるため、水を飲む量が減り、脱水症状を引き起こしたり、腎臓や肝臓に負担をかけてしまうことがあります。夏場は特に熱中症などから、脱水症状を起こしやすくなりますので注意が必要です。愛犬がいつでも新鮮な水を飲める状態にすること、また、以前に比べて水を飲む量は減っていないかなど注意して観察しましょう。

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原材料の確認

ドッグフードを選ぶ時には、まずは「成分表示」「原材料名」を意識的に確認するようにしましょう。これは、ドッグフードを作る上で使用した材料の名前と、計測した成分を表した表示で、これらの記載は法律で定められたものです。

この、原材料名の一番上に記載があるものが、ドッグフードに一番多く含まれている材料で、後ろに記載されるにしたがって含有量が少ないという事がわかるようになっています。犬は「雑食性」の動物ですが、粗雑なドッグフードには、多くのタンパク質を摂取できるチキンやビーフなどの「肉類」が非常に少ない事や、上位に表示される材料のほぼ全てが栄養価の低いトウモロコシなどの「穀物類」だったりするわけです。

中には「チキン」という商品名で記載があっても、原材料の一番上に穀物類が記載されているフードも少なくありません。ただし、こうした物の中には、フード全体の栄養バランスを均一にするために、穀物量を多くしているフードもありますので、一概に「過大表現」しているわけではありません。

成犬や子犬のドッグフードと、老犬のドッグフードの必要なカロリー量や栄養素はそれぞれ違うため、原材料は極端に違えども幾らかの成分量や栄養素には違いがあるはずです。
こうした知識が、愛犬の肥満を防ぐことや健康維持に繋がりますので、ドッグフードに関わらず、おやつなども買う時は注意深く調べてみることをおすすめします。

老犬が食べてはいけないもの

【チョコレート・ココア】
犬は人間と違って、これらに含まれるテオブロミンという物質を分解することができないため、嘔吐や下痢を引き起こし、最悪の場合死に至ることがあります。

【ネギ類】
玉ねぎや長ネギやニラなどのネギ類は、体内で消化すると赤血球を破壊し、貧血や嘔吐、下痢などを引き起こし、最悪の場合は死に至ります。

【キシリトール】
キシリトールに含まれているインスリンは、体内の血糖値を下げる働きがあり、摂取すると低血糖を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。

【ブドウ・レーズン】
摂取後、嘔吐や重度の腎不全を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。加工したレーズンパンも与えないで下さい。

【カフェインが含まれるもの】
カフェインが含まれるコーヒーや紅茶、緑茶を飲ませると、興奮状態になり、脈拍数が上がるなど、心臓疾患を引き起こし、最悪の場合死に至ります。

【甲殻類・貝類】
カニやエビ、イカやタコ、アワビなどは消化がしにくく、下痢や嘔吐などを引き起こします。

【アボカド】
果実や種、葉などに含まれているペルシンという物質は、人以外の動物に与えると嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こします。

愛犬が食べなくなったら

今までモリモリ食べていたのに、愛犬が急にご飯を食べなくなると、飼い主さんは心配でしょう。

それが病気を疑う場合は、早めに獣医さんの診察を受ける必要がありますが、そうでない場合は老化によって食欲が落ちている可能性もあります。年を取ると、代謝機能や消化機能が落ちて、どうしても食が細くなったり、ムラが出てきてしまいますので、食事の工夫を考えることが必要です。

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シーン別に見る悩み

【もしかしたら…その1】
ドッグフードの粒が大きくて食べづらいのかもしれない・・・そんな時は、ドッグフードを水かぬるま湯でふやかしたり、ドッグフードを砕いてみると良いでしょう。

【もしかしたら…その2】
愛犬の鼻が老化によって効かなくなって、匂いに鈍感になり、食欲が湧かなくなったのかな・・・そんな時は、柔らかくしたドッグフードを電子レンジで数秒温めることで匂いを感じさせるようになります。

【もしかしたら…その3】
足腰の筋肉の低下や首や関節の痛みで、頭を下げてご飯を食べることに苦痛になったのかも・・・そんな時は、食器の高さを、愛犬の胸の高さほどに設置できるように台を置くなどの工夫をすると良いでしょう。

【もしかしたら…その4】
もしかしたら、最初は食欲ないけど、何かの拍子で急に食欲が出るかもしれない・・・そんな時は、味付け程度にトッピングをしたり、ウェットフードをドッグフードの上にかけてあげてみましょう。

愛犬が老犬になったら気を付けること

「1日2日食べなくても大丈夫。お腹が空いたらいずれ食べるようになる。」

なんて、悠長なことを言っていたら、だんだん愛犬の抵抗力や免疫力が下がり、後で取り返しのつかないことになることもあります。愛犬が食べないということは、大変な命取りです。
まず、どうして愛犬がご飯を食べなくなったのか理由を考えることが必要です。

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