意外と見逃しがちな犬のケアと言えば「肛門」のケアです。犬の肛門は、ただ排便するだけのものではないので、定期的に状態をチェックし、ケアを行う必要があります。手を抜くと、肛門嚢炎などの病気にも。今回は犬の肛門のケアについてお話します。

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自宅でケア出来るようになりましょう

日頃から愛犬の様子を観察していると、お尻を痒がっていたり、敷物に爪が引っかかっていたり、耳を痒がっていたりと、様々な様子が伺えるかと思います。こうした犬のサインを見落とさないようにするのも飼い主の努めです。あまりにも同じような行動を繰り返している場合には、何かしらの問題が発生している可能性が高いです。

普段、行きつけの動物病院やトリミングサロンで相談するのも良い方法ですが、飼い主さんも愛犬の健康を維持するために、犬のケアについて知っておいたほうが良いかもしれません。また、こうした問題は、恐らくまた再発、もしくは定期的にケアする必要があるため、ケアの仕方を覚えて、自宅でサッと出来たほうが何かとよいでしょう。

サロンによって変わる料金体系

自宅でケアするのが困難な場合には、動物病院やトリミングサロンなどでケアしてもらう事になると思いますが、愛犬の被毛を綺麗にしただけで、愛犬のケアをしているつもりになっていないでしょうか?

「被毛の汚れを落とした」「毛玉を取ってもらった」「綺麗にブラッシングしてもらった」「カットして整えてもらった」など、意外と被毛のケアだけで満足してしまう場合も多いです。しかし、トリミングサロンによっては、「肛門腺絞り」や「爪切り」といったメニューが別料金で、通常のメニューに入っていないこともあるんです。

全部やってもらってたつもりが・・なんて、うっかりと愛犬のケアを忘れていたら大変です。愛犬をトリミングに出す際には、しっかりとトリミング料金と内容についても確認するようにしましょう。

「お尻を擦りつける」は肛門腺絞りのサインかもしれません

愛犬が自宅にいる時に、「地面にお尻を擦りつけている」または、「しっぽを追いかけている」といった様子を見かけていないでしょうか。こうした行動を繰り返し行なっている時には、肛門腺から出されている分泌液が溜まっているサインかもしれません。

肛門腺とは、犬の分泌液を分泌する器官で、この分泌液は「肛門嚢」という部位に貯められます。この分泌液は、通常であれば排便時に一緒に排出され、排便することで臭いを付けて「マーキング」する働きがあります。分泌液は、マーキングをするためのものなのです。はじめて会った犬同士がお尻の臭いを嗅ぐ様子を見たことがありますよね。この行為は、お尻から出されている分泌液を嗅ぎ会って、相手を確かめている行為なのです。

こうして一緒に排出されるはずの分泌液ですが、中には上手に排出されず、肛門嚢に溜まってしまう犬もいるのです。これを排出させなければ、肛門嚢の中で細菌が繁殖してしまい、やがて炎症してしまい「肛門嚢炎」という症状を引き起こしてしまいます。

肛門嚢炎を発症すると、お尻や尻尾を気にする様子や、お尻を擦りつけて歩いたりといった様子が見られるようになります。症状が悪化していくと、今度は排便時に踏ん張っても出にくそうにしていたり、痛みがあるために鳴いたりといった様子が現れ、肛門は腫れ上がり、痛みも伴ってきます。やがて腫れは腫瘍となってしまい、また、腫れ上がった患部が破裂することもあります。

肛門腺絞りで予防しましょう

このようにして肛門嚢炎を発症してしまうのですが、分泌液を排出できない犬は、肛門腺を絞ってあげて分泌液を排出させてあげる必要があるのです。溜まりやすさ、肛門腺を絞る頻度は犬によっても変わりますが、目安としては1ヶ月に1回の頻度で絞ってあげるようにしましょう。

こうすることで、常に肛門嚢はすっきりした状態となり、肛門嚢炎などの病気を予防することができます。肛門腺を絞るケアは、意外と見落としがちなケアの一つでもありますので、毎回意識しておくようにしましょう。

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肛門腺の絞り方

自信が無ければ、病院やトリミングでお願いすることも出来ますが、肛門腺は自宅でも容易に絞ることが出来ます。

肛門腺絞りとは、肛門嚢を絞る事を言いますが、まず、愛犬の肛門を確認してみましょう。そして、肛門を正面から見て4時と8時の位置を確認してみましょう。この場所が肛門嚢の場所になります。
肛門腺を絞る時には、この場所をつまむように押さえ、肛門の中心に向かって押し絞るようにします。こうすることで、肛門から分泌液が出てくるのです。

注意点としては、非常に強い悪臭の分泌液ですので、ティッシュか何かを当てて絞るようにしましょう。時折、勢い良く飛び出してくる事もありますので、顔などにかかると害は無いものの、その臭いの強さに落ち込んでしまうことでしょう。

また、肛門腺が固かったり、なかなか上手くできなかったりする場合には、無理をせずに病院かトリミング時にお願いするようにしましょう。

まとめ

被毛のケアや爪切りだけに集中しがちな愛犬のケアですが、肛門腺を絞るというケアも忘れずに行うようにしましょう。命に関わるとまでは行きませんが、肛門嚢が破裂してしまうことで、細菌などに感染し、肛門が化膿してしまうことも考えられます。こうなってしまっては、完治するまでも時間がかかりますので、日頃のケアが非常に大事になってくるのです。

犬をしっかりとケアするには、様々な部分に注意してみるようにしなければいけません。日頃の生活でおかしな行動を取っていないか、今一度確認して見るようにしましょう。

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