犬のダイエットはカロリーの計算や栄養の摂取量をしっかりと管理する必要がありますが、単にドッグフードの量を減らしただけでは解決になりません。そこでおすすめなのが「かさましダイエット」です。

人間にもおなじみのダイエット法ですが、犬にとってのかさましダイエットは効果があるのでしょうか。詳しく調べてみたいと思います。

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かさましダイエットとは?


人間のダイエット方法として有名な「かさましダイエット」。かさましダイエットとは、高カロリーな食品を低カロリーな食品と置き換えることで、通常の量よりも多く食べることができ、カロリーコントロールもできるダイエット方法の一つです。

そんなかさましダイエットですが、実は犬のダイエットにも応用することが出来ることをご存知でしょうか。

犬のダイエットを行う際には、単純にドッグフードの量を減らして調整するのがてっとり早いカロリーコントロールになりますが、多くのドッグフードは1日の栄養バランスを考えて作られていますので、ドッグフードの給餌量を減らしてしまうと必然的に十分な栄養を摂取することができなくなってしまいます。

1日の栄養素を摂取できるドッグフード

ドッグフードにも色々な種類がありますが、それぞれ種類や特徴は違えど、1日に犬が必要としている栄養素、エネルギーなどを計算し、配合されたものがドッグフードであり、1日分の給餌量で犬の1日の要求する栄養素を摂取することが可能となっているのです。

フードによっても給餌量は変わりますが、5kgの成犬であれば1日おおよそ90g〜100g程が一般的な給餌量となっています。当然ながら犬と人間とでは体重の差がありますが、50kgの人間として例えるのであれば犬はおよそ10分の1ほど。犬にとっての100gは人にとっての1kgとも考えられます。

ここから適当に与える量を減らしていたのでは、犬にとっていかに大量かがわかるでしょう。仮に10gを減らした場合、我々に置き換えて考えると100gの違いとなるのです。

犬と人は10倍近い体重差

単に量を減らすことは、摂取カロリーや栄養の問題だけではありません。犬の満腹感にも影響してくる問題となります。そこでおすすめなのが「おきかえダイエット」なのです。

おきかえダイエットであればドッグフードを減らした分を別の食材におきかえて、満腹感を与えながらも低カロリーに抑えることができ、なおかつしっかりと栄養を摂取させることが可能となります。

かさましダイエットの最大のメリットとなるのが、この「食事制限」を行うことなくダイエットを行うことが可能である点が大きいです。

しかし、どんな食材でもかさ増しダイエットの食材に適しているというわけではありません。そこでまずは、かさましダイエットに適している食材について理解していきましょう。

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かさましダイエットに最適な「おから」


かさましダイエットによく使用される食材に「おから」「豆腐」「もやし」「白菜」「きのこ類」が挙げられます。中でもかさましダイエットの代表格として知られるのは「おから」でしょうか。

おからは100gあたり、おおよそ110Kcalほどと低カロリー。かつ、植物性蛋白質を12%ほど含んでいますので、ダイエット食としても理想的な栄養素をもつ食材の一つです。

また、食物繊維やオリゴ糖といった腸内環境改善に期待できる成分も含みますので、消化の弱い愛犬にもおすすめです。

ただし、おからはあくまでも長期的に与えることを考えず、短期的に、もしくは適度な頻度でかさ増し食材として利用するようにしましょう。というのも、おからは優れたダイエット食になる半面、犬にとってはややデメリットもある食材ではあるのです。

おからの与えすぎは注意

おからには「フィチン酸」と呼ばれる成分が含まれています。このフィチン酸は、ミネラルの吸収を阻害してしまう働きがあり、愛犬が摂取することでミネラル不足を引き起こす要因にもなりかねない成分となってしまいます。

また、「サポニン」や「レクチン」といった成分も含まれますが、これらも犬にとってはあまり良いとは言えない成分を含んでいます。

おからはおきかえダイエットとしても利用のしやすい食材であり、また使い勝手もよい食材なのでダイエット食としてはおすすめなのですが、利用する際には適量を意識し、与え続けることのないようにすることがポイントとなります。

どの食材にも言えることかもしれませんが、与え過ぎはあまり良くありません。栄養が偏る要因になったり、アレルギーを引き起こす可能性が高くなってしまいますので、食材は適度に変化を加えて、集中的に利用しないようにすることが大切です。

かさましダイエットに適した食材とは

かさましダイエットに適した食材はおからだけではありません。例えば「もやし」であれば100gでおおおそ34Kcal。さらにもやしには脂肪燃焼効果の期待できるカリウムが豊富に含まれており、ビタミンCやアミノ酸、食物繊維も含まれますので、おきかえダイエットにも最適な食材の一つです。

もやしをおきかえダイエットに利用する際にはいちど軽く茹であげて、しっかりと冷ました物を混ぜるようにし、さらに細かく刻んであげましょう。もやしを一度茹でることで、より消化がしやすい状態に出来ます。

生の状態でももやしは問題ありませんが、生ですと消化に良すぎてしっかりと消化されずに排泄されてしまう場合もあります。しっかりと栄養を摂取させるためにも、一度茹でてから混ぜてあげましょう。

豆腐も利用しやすい食材の一つ

豆腐もおきかえダイエットに利用しやすい食材のひとつ。豆腐には「絹ごし」と「木綿」がありますが、絹ごしであれば100gあたり56Kcal、木綿豆腐は100gあたり72Kcalとなります。

利用のしやすさで言えば木綿のほうが扱いやすいですが、木綿はタンパク質が4.9、絹ごしは6.6gと100gあたりの差がややあります。

ドッグフードのおきかえダイエットを行う際にはカロリーやタンパク質のコントロールも重要です。グラム単位だけで与えていては栄養もしっかりと摂取できなくなりますので、しっかりと成分値を意識し、ドッグフードの成分値に近づけるように計算を行うようにしましょう。

特に犬はタンパク質が重要です。高齢犬であればさほどの量ではなくなりますが、成犬であればしっかりとタンパク質を摂取させる必要がありますので、ヘルシーなささみなどを利用するのも一つの方法です。

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キノコ類はワンポイントとして


キノコ類もかさましダイエットに最適な食材です。きのこが優れているの、しっかりとした歯ごたえを残しつつ、低カロリー。なおかつしっかりと栄養を摂取することが出来るという点です。

きのこといっても色々な種類がありますが、「ぶなしめじ」や「エリンギ」が価格的にも利用しやすいでしょう。

ぶなしめじは100gあたり18Kcal、エリンギは19Kcalとかなりヘルシー。タンパク質はぶなしめじが2.7g、エリンギが2.8gとなっています。

また、キノコ類にはマグネシウムやカリウムが多く含まれ、ナトリウムなども含まれます。これらのミネラル類を多く含んでいますので、しっかりと健康管理も行う事が出来るでしょう。

ちょっとしたワンポイントとしても使いやすい食材ですので、ダイエット食を作る際にはぜひ利用してみましょう。

プロ目線からみたかさましダイエットのポイント

犬にもかさましダイエットが応用できる事がわかりましたね。かさましダイエットに関しては食材も大切な要素となりますが、しっかりと栄養管理の計算を行えなければなりません。

前述の通り、単純にドッグフードの量を変化させていたのでは栄養過多・栄養不足を引き起こしてしまいます。しっかりと栄養を摂取しつつ、給餌量を減らさずにダイエットを行えるのがかさましダイエットのメリットですが、デメリットとしては飼い主さんの栄養管理能力が必要になるという点です。

やっていれば慣れてきますが、はじめは難しいことばかりかもしれませんね。しかし、一度覚えてしまえばコツも掴めます。ダイエットだけではなく、老後の介護食や、食欲が低下しているときの手作り食としても応用出来ますので、これを期にしっかりと覚えてみてはいかがでしょうか。

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