キャットフードにも様々な原材料が使用されていますが、今回ご紹介する「ポーク(豚肉)」は、その中でも比較的珍しい原材料でもあります。ポークは豊富なビタミンB群が特徴で、他にも様々な栄養を摂取することができる、優れた素材でもあります。

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動物性蛋白質を必要とする猫の主食


完全な肉食の動物である猫。キャットフードでは「チキン(鶏肉)」や「フィッシュ(魚肉)」などを主原料としたものがほとんどで、まれに違う素材を使用したキャットフードがあると言った感じです。

肉食である猫は、基本的には主原料が肉などの動物性蛋白質が理想となりますが、安価なキャットフードになってくると多くの主原料が「穀物類」である製品も。

中には穀物類に食物アレルギーを持つ猫もおり、近年では食物アレルギーが増加傾向にあることから、様々な原材料を試す飼い主さんも増えてきています。今回ご紹介する「ポーク(豚肉)」も、そんな原材料の一つです。

「豚肉(ポーク)」の特徴とは

ポークの最大の特徴となるのが豊富な「ビタミンB群」が摂れるという点です。

中でもいちばん豊富に摂取できる「ビタミンB1」は、疲労回復の効果が高いビタミンとして知られており、疲れの元となる「乳酸」の蓄積を防止するといった働きを持つビタミンです。また、脳や神経にも働きかけ、筋肉の疲労や神経の疲労を取り除いてくれる効果も。

この他、成長促進に効果のある「ビタミンB2」や、皮膚の健康維持に効果が期待できる「ビタミンB6」、血行の改善に効果が期待できる「ナイアシン」、貧血を予防する「鉄分」、血圧の上昇を抑える「カリウム」など、ポークを摂取することで得られる効果はたくさんあります。

カロリーの高さに目が行きがちですが、上記の通りポークは非常に栄養豊富な食材なのです。

生肉で与えるのは危険です


このように栄養豊富なポークですが、反面、ポークは多くの菌を保有する肉という認識も高く、私達が食べる豚肉もしっかりと火を通さなければいけないというのは御存知のとおりですよね。

ポークの栄養価を最大限に摂取するには「生肉」の状態で与えるのが、最も効率の良い与え方になりますが、豚肉はトキソプラズマ症の危険性も高いので生肉で与えないようにしましょう。

流通している豚肉は厳しい検査を通過しているため、寄生虫の心配は少ないとは言え、リスクをおかす必要はありません。豚肉は必ず火を通すという事を意識しておきましょう。

こうした理由や流通量の問題からか、ポークはあまり多くのキャットフードに使用されることはありませんでした。しかし、現在では肉の加工技術も進化し、キャットフードに使用されるポークは豚肉を乾燥させ、粉末状に加工した「豚肉粉末」が主流となっています。

イースター「プロステージ ル・シャット」シリーズ

イースターの「プロステージ ル・シャット」シリーズは、一般的なキャットフードと違い、愛猫が直面している問題や、健康維持を心がけたい問題から選ぶタイプのキャットフード。

毛玉の問題には「ヘアレ」を、免疫力の維持には「ヌクレ」を、下部尿路疾患等の問題には「ファーレ」といったように、愛猫の状況に合わせて選択することができます。

ル・シャットシリーズでは、肝臓の健康維持に配慮した「デトレ」、お腹の健康維持に配慮した「ストレ」、前述の「ヌクレ」「ヘアレ」「ファーレ」の5種のラインナップに「ポークミール」が採用されており、中でも第一主原料にポークミールを採用しているのが、免疫力の維持に配慮した「ヌクレ」になります。

乳酸菌配合の「ヌクレ」

ヌクレには、免疫力の維持に効果の期待できる初乳成分「ヌクレオチド」や乳酸菌の「EC-12株」「オリゴ糖」が配合されており、免疫力の向上には欠かせないお腹の健康維持に注力したキャットフードです。

この他にも「卵殻カルシウム」が配合されているなど、成長期の子猫にも安心して与えられる、栄養豊富なキャットフードになっています。

【イースター プロステージ ル・シャット ヌクレ 原材料】
ポークミール、米粉、鶏肉、小麦粉、コーングルテンミール、動物性油脂、ビートパルプ、フィッシュミール、酵母エキス、ビール酵母、アルファルファミール、オリゴ糖、植物性油脂、精製魚油(DHA・EPA源)、植物抽出発酵エキス、酵母抽出物(ヌクレオチド源)、チキンエキス、チーズパウダー、殺菌処理乳酸菌、ミネラル類(未焼成卵殻カルシウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、食塩、硫酸亜鉛、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウム)、アミノ酸類(DL-メチオニン、タウリン、L-トリプトファン)、ビタミン類(コリン、E、ナイアシン、A、C、B2、B1、パントテン酸、B6、葉酸、K、D3、B12、ビオチン)、酸味料(クエン酸)、香料(ローストガーリックオイル)

主原料は「ポークミール」が採用されており、ほかの動物性タンパク源として「鶏肉」や「フィッシュミール」「精製魚油」なども含まれます。

ル・シャットシリーズはピンポイントに愛猫のケアを行いたい状態に配慮したキャットフードですので、愛猫の健康管理も行いやすいキャットフードと言えるでしょう。

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アニモンダ「インテグラプロテクト ニーレン ポーク」

ドイツのペットフードメーカーで知られる「アニモンダ」。アニモンダは、プレミアムフードを数多く開発・販売しているブランドで知られており、中でも「インテグラ」シリーズは健康サポートに最適なシリーズとして知られます。

アニモンダ「インテグラ プロテクト ニーレン ポーク」には、「肉類」として「豚」以外にも「鳥」「牛」が使用されているレトルトで、添加物も一切使用されておらず、副産物も使用されていない、品質重視のウェットフードです。

【アニモンダ インテグラ プロテクト ニーレン ポーク 原材料】
肉類(鳥・豚・牛) 、シリアル、油脂類、野菜類、ミネラル、ビタミンA、、ビタミンD3、ビタミンE

インテグラ プロテクト ニーレンは、特に腎臓の働きが弱い猫におすすめな腎臓ケアを目的としたラインナップです。腎臓のトラブルを引き起こしている場合にはタンパク質の含有量とリンの含有量に注意が必要ですが、これらを抑えたウェットフードがこの商品の特徴となります。

ハイクラスなキャットフード

残念ながらアニモンダはどこでも販売されているブランドというわけではなく、プレミアムフードを扱う一部のショップで手に入るといったメーカーです。

そのため、価格帯もハイクラスにはなりますが、アニモンダが本社を置くドイツはペット先進国でもあり、ドッグフードやキャットフードに関しても、人間と同等のレベルを基準としているため、非常に安心のおける製品が多いです。

近年では安価なキャットフード等に含まれる添加物のせいで、アレルギーを引き起こしている事も指摘されているため、こうしたヒューマンレベルのペットフードも注目を浴びている状況です。

愛猫が食物アレルギーを持っている際には、一度チェックしてみても良いブランドだと思います。

トキソプラズマは加熱して死滅させましょう


豚肉をキャットフードからでなく、肉の状態で与えたいという場合には、いくつかの注意を守れば問題なく与えることが出来ます。

その一つが、前述の通り必ず火を通すということです。ただし、火と言っても正しくは「熱」を加えることです。

豚肉を与える際に最もリスクとなるのがトキソプラズマ症の心配です。しかし、トキソプラズマは67℃以上の加熱を1~2分加えることで死滅させることができ、また、マイナス20℃で8時間以上冷凍することでも死滅させることが出来ます。

家庭用の冷凍庫では開け締めする機会もあるかと思いますので、マイナス20℃の状態を8時間以上維持するのは少々難しそうですね。最も安全に、より確実に死滅させるには加熱して死滅させるのが理想的と言えそうです。

アレルギーなど万が一のケースも

また、豚肉を猫に与える場合には、猫が食べやすいように細かくカットしてあげましょう。野生動物のように引きちぎって食事を行う習慣がありませんので、場合によっては喉に詰まらせかねません。ある程度の小ささにカットしたものを与えるようにしましょう。

また、与える際には一気に大量の豚肉を与えるのは危険です。万が一ということもありますので、まずは一口程度から与えるようにし、便の状態や健康状態に問題がなさそうであれば、少しずつ量を増やしていくと良いでしょう。

肉のままで与えるのはキャットフードになった豚肉よりも栄養価が高いですが、万が一アレルギーなどを持っている場合には危険です。かならず愛猫の健康状態は便の状態を含めて確認し、問題ないかどうかを確認しなければなりません。

まとめ

ポークの栄養価の高さは前述の通りですが、まだまだ製品としては少ない印象です。今後も増えていくかはわかりませんが、食物アレルギーを持っている場合や、ピンポイントでビタミンB群を摂取したい場合には、ポークを試してみる価値もありそうですね。

※内容は2017年4月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

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