高タンパク・低脂質・低カロリーな原材料として注目される「馬肉」。食物アレルギーを持つ猫や、病気などで食材の選択肢が狭まっている猫にもおすすめの馬肉ですが、その特徴や、アレルギーに関して解説していきたいと思います。
猫の食物アレルギー
近年では猫も食物アレルギーを持つ事が多くなり、これまで多くのキャットフードの主原料となってきていた「チキン(鶏肉)」や「卵」「ビーフ(牛肉)」といった動物性蛋白源に食物アレルギーを持っていたり、穀物類に食物アレルギーを持つ猫も多く見られるようになってきました。
猫は本来、肉食の動物であり、栄養は動物性蛋白質から摂取する事が理想的です。食物アレルギーが特定出来る場合には、これらの食材を主原料としたキャットフードを避けることで、とりあえずの対処は行なえます。
しかし、食物アレルギーが「穀物類」である場合には、その状況も少々難しくなってきます。というのも、多くのキャットフードには「穀物」が使用されているため、避けようがなくなってしまうのです。
グレインフリーとは
安価なキャットフードの多くが「穀物類」を多く原材料に配合し、かさ増しのような状態のキャットフードが多く流通してきており、プレミアムフードとうたうキャットフードに関しても主原料は肉でありながら、穀物類を多く含む製品も多く流通しているのです。
そのため、穀物類(小麦やとうもろこし)に食物アレルギーを持つ猫は、食べられるキャットフードも限定されてきてしまいます。そこで近年、増加傾向にあるのが「グレインフリー」と呼ばれる穀物を一切使用していないキャットフードです。
何かしらの食物アレルギーを持つ猫は、このグレインフリーのキャットフードを選択することをオススメしますが、まずは一度、動物病院でパッチテストを行ない、何がアレルギーを引き起こしているのかを把握することが大切になります。
馬肉の特徴
食物アレルギーを持つ猫のためとは言いませんが、現在では様々な主原料のキャットフードが見られるようになりました。
食物アレルギーだけでなく、何かしらの病気を抱える猫で、低カロリーかつ高タンパクな食材を求める場合など、求められるケースも様々ですが、そんな珍しい食材の一つに「ホース(馬肉)」が挙げられます。
馬肉の最大の特徴となるのが「低脂肪」「低カロリー」「高タンパク」であること。また、アレルゲンとして該当されることもほぼ無いと言っていい食材です。牧場などで育てられるため、馬と牛は同じ感じでないの?と考える方も多いようですが、そもそもが別の種別であるため、馬と牛は大きく違います。
馬肉と牛肉を比較すると、前述の通り牛肉よりも低脂肪・低カロリーなだけでなく、ビタミンB12は牛肉の6倍、ビタミンB1は4倍、この他のビタミン類含有量も牛肉の20倍という、馬肉は良質のタンパク質源であるだけでなく、豊富なアミノ酸やビタミンを多く含む優れた食材でもあるのです。
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馬肉の商品
なぜこんなに優れた食材があまり利用されていないのかというと、やはり馬肉は高価な食材ということもあり、流通量は少ないということがいえます。ドッグフードにも馬肉が使用されていますが少なめで、キャットフードとなると更に少なくなります。
猫用の馬肉を使用した商品に関してはおやつや缶詰が一般的。キャットフードとなると、非常に稀にはなってしまいます。犬用の馬肉を使用した商品も徐々に増えてきていることから、猫用も数年後には多少なりともラインナップが増えてくるとは思いますが、まだまだ高価な商品になることは間違いないでしょう。
馬肉は生で与えても大丈夫?
猫は本来、肉食の動物であると説明してきましたが、ペットとして飼育している猫にも、馬肉は生で与えても問題はないのでしょうか。
結論から言えば、生肉の状態で与えても問題はありません。しかしながら、生肉は栄養も満点な反面、様々なデメリットも含むのも確かです。というのも、生肉は新鮮であれば良いですが、時間の経った生肉は危険です。菌が繁殖していますし、鮮度的にもかなり問題があるので避けましょう。
また、信頼できるところから仕入れた生肉を与えるようにしましょう。基本的には冷凍でなければなりません。
生肉に関して言えば、食いつきの良さはあるものの、やはり好みは別れますので、一概にすべての猫が好むというわけではありません。こればかりは与えてみなければわかりませんので、一度試してみてはいかがでしょうか。
フリーズドライタイプの馬肉も
生肉にちょっと抵抗があるという方は、フリーズドライになった馬肉の製品もあります。
フリーズドライの製法は、馬肉をマイナス20℃以下で冷凍させ、真空処理を行います。こうすることで余分な水分を除去し、鮮度を保ったまま乾燥されるため、栄養を逃がすこと無く加工することが出来るのです。
水やぬるま湯で溶いてもよいですし、フリーズドライのままで割りながらふりかけて与えてみても良いでしょう。生肉よりも扱いが楽ですし、臭いなども気になることはありません。
デメリットとしては価格的に少々、値が張ってしまうということでしょうか。馬肉に限らず、フリーズドライ製法の商品は、価格も高いですが、価格相応の良さもあります。愛猫の元気が無い時や食欲が落ちている時に使用してみるのにも良さそうです。
馬肉で下痢をした場合には
初めて愛猫に馬肉を与えた時に、愛猫が下痢をしてしまったというケースも聞かれます。この場合、純粋に馬肉が体質にあっていなかった事も考えられますが、もしかすると与え方にも問題があったのかも知れません。
というのも、突然、消化に慣れていない馬肉を与えてしまうと、猫の胃腸も驚いてしまい、消化しきれずに下痢をしてしまうことも考えられます。こうした猫は、日頃から消化が弱い様子がみられているのではないでしょうか。
この場合、すぐに馬肉を与えず、数回の食事に分けて馬肉を与えるようにしてみましょう。徐々に馬肉を消化することに慣れてくれば、下痢することもなくなるでしょう。また、こうして与えても下痢する場合には、体質にあっていないので与えないようにしましょう。
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安価なキャットフードに含まれる危険
一つ気にしておいたほうが良いのが、キャットフードに含まれる保存料や着色料、酸化防止剤といった「食品添加物」の存在です。
こちらに関しても、多くは安価なキャットフードに使用されるものですが、添加物の種類によっては猫の体に害を及ぼす物もあり、発がん性やアレルギーを引き起こす事が指摘されている物もあります。
残念ながら日本国内で販売される安価なキャットフードには、着色料を始めとした添加物を多く含むキャットフードが多く流通しています。
近年では、こうした添加物を使用していないキャットフードも多く見られるようになり、酸化防止剤に関しては、多くが自然由来である「ビタミンE(トコフェロール)」に切り替えるなど、化学物質の使用が撤廃されつつあります。
絶対とは言わずとも、アレルギーを引き起こす要因となるものは避けたほうが良いでしょう。
まとめ
今後は猫の食物アレルギーも更に増えてくることが予想されますので、徐々に馬肉を始めとした、比較的珍しくアレルゲンとなりにくい食材が流通されてくることでしょう。とはいえ、やはり犬用の商品のほうが開発も流通も早いため、猫用の商品となると、その数年後と言った感じでしょう。
まずはアレルギーの原因を突き止め、アレルギーを引き起こす食品を摂取させないことが重要になりますので、一度動物病院で検査を行うことが重要です。馬肉などの商品は稀であるため、メインの食材というよりかは、おやつや缶詰などのご褒美程度で考えると良いかもしれませんね。
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