猫の健康維持にかかせないのは、食事の管理や住みやすい環境作りだけではありません。猫の被毛のケアやブラッシングは、猫とのスキンシップだけではなく、猫の健康維持にかかせない作業なのです。今回は猫のブラッシングについて解説していきます。

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猫のブラッシングについて

普段であれば自分でグルーミングを行って、自分で体を綺麗にしている猫ですが、やはり飼い主さんの手でブラッシングを行うことも必要となってきます。猫種にもよりますが、しっかりとブラッシングを行ってあげないと、被毛が絡まって毛玉になってしまったり、ムダ毛が多すぎて毛球症などの病気を引き起こしてしまうことも。

せっかく美しい被毛を持っている猫なのですから、普段から綺麗にしてあげたいですよね。また、グルーミングを行うことで、猫とのスキンシップもはかれますので、ちょっとした変化に気が付くことが出来たり、猫とのコミュニケーションが取れたりと、一石二鳥なんです。では、実際に猫のブラッシングと被毛のケアについて見てみましょう。

日々の被毛ケアが必要な理由

猫の被毛ケアはペットサロン等にトリミングに出しておまかせしている、という飼い主さんも少なくないかもしれません。もちろん、サロンに出すことですごく綺麗にしてもらえるので、年に数回というペースでトリミングに出すのは良いことです。

とはいえ、やはりトリミングに出す間には汚れやムダ毛も相当出ているのです。日頃からブラッシングすることで、部屋の汚れ具合や愛猫の体の汚れや毛艶も、大きく改善されることでしょう。体の汚れは、愛猫の健康維持にも関わります。そのため、猫自身でこまめにグルーミングを行っています。

猫のグルーミングについて

猫がグルーミングをする理由は、仮説として様々な理由が挙げられておりますが、その一例として、体を舐めることで体温調節をしていることや、ゴミやホコリを取り、毛の感覚を研ぎすませている、被毛についた臭いを落とすために舐めている等、色々な説が言われています。

猫を飼っている方であれば、当然知っているかもしれませんが、猫の舌には細かくザラザラとした棘のような突起がたくさん付いています。猫に舐められると、そこまで痛くはないものの、ザラザラと、ヤスリをかけるような感触があります。この舌が、猫がグルーミングをする際にも「ブラシ」のような効果を得ることができ、ゴミや抜け毛を絡みとることができるのです。

他にも、皮膚炎を予防するため、皮膚の血行を良くするため、舐めることでリラックス状態になるためと言った説もあり、どれも正解のような気もしますが、いずれの行動も猫にとっての生理現象であり、必要不可欠な行動なのかもしれませんね。しかし、猫のグルーミングが原因で引き起こされる毛球症にも注意しなければいけません。

グルーミングによって引き起こされる毛球症

「毛球症」とは、猫が体をグルーミングすることで毛を飲み込んでしまい、胃や腸で「毛玉(ヘアボール)」となってしまうことで、吐き出せなくなったり、排便とともに出すことができなくなった症状の事を指します。毛球症といっても、病気とまではいきませんが、放っておくと症状も悪化し、予期せぬ病気を併発しかねません。

毛球症になると、このヘアボールをうまく吐き出せなくなり、何度も嘔吐を繰り返すために脱水症状を引き起こしてしまったりもします。この他、食欲の減退、便秘といった症状も見られるでしょう。また、比較的高齢の猫が発症しやすい症状でもありますので、老齢猫があまりに嘔吐症状を繰り返していたり、元気が無くなっているようであれば、一度診察してみても良いかもしれません。

症状が重いようであれば、外科手術によってヘアボールを摘出するといった方法がとられますが、老齢猫である場合、外科手術に耐えられる体力があるかという事も問題になってきます。こうしたことから、毛球症にならないためにも、事前の予防が効果的なのです。

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ブラッシングが必要な理由

このように、猫の健康維持には、飼い主さんによるブラッシングが必要不可欠なのです。できれば子猫の時から慣れさせるのが望ましいですが、猫も気持ちが良いことがわかれば、成猫でも喜んでブラッシングをさせてくれるでしょう。

ブラッシングは市販の「スリッカーブラシ」などを利用して行います。あまり力を入れすぎず、体の線に沿って優しく、上から下にブラシを通してあげましょう。はじめからガシガシやってしまうと、猫も嫌がって、ブラッシングのイメージが悪いものになってしまいますので、初めは様子を見ながら行いましょう。

ポイントとしては、体全体を一気にやるのではなく、体の部位を4〜5箇所に分けてブラッシングします。ブラッシングを行っている際に毛玉が見つかった場合には、ブラシで先端からほぐしていきますが、ここもあまりガシガシやってしまうと、猫も痛がりますので無理に取ろうとせずに、サロン等にお願いするようにしましょう。日頃からブラッシングを行えば、こうした毛玉もできなくなります。

シャンプーは必要?

サロンではもちろんシャンプーをして、綺麗にしてくれますが、自宅でシャンプーを行ったほうが良いのでしょうか。

猫のシャンプーに関しては、こまめに行わなくとも良いでしょう。というのも、猫事態が濡れるのを嫌がったりする子が多いので、非常に難しいと思います。もちろんシャンプー好きの猫もいますが、シャンプーを行ってからもしっかりと毛を乾かさなければ、猫の体調を崩してしまいかねません。

また、シャンプーを行い、乾燥させた後はしっかりとブラッシングを行う必要があります。自宅内でこうした作業をしっかりと行うことは大変ですので、やはりサロンにおまかせしたほうが良いかもしれません。

まとめ

日頃からブラッシングを行えば、猫の被毛の汚れも無駄毛も解消されます。長毛種の猫は特に静電気が起きやすいので、被毛が汚れたり、皮膚がムレて皮膚炎を招きます。ブラッシングをこまめに行い、こうした猫の健康維持をすることで、猫もより健康に過ごすことができますので、初めは大変かもしれませんが、ぜひチャレンジしてみましょう。

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