子犬は小型犬で8~10ヶ月、中型犬で10ヶ月12ヶ月、大型犬は15ヶ月~18ヶ月で成犬になります。この成長期は、健康で丈夫な骨や筋肉を作るため、最も大事な時期であるとも言えます。そのため、豊富な栄養が詰まった食事を与える必要があります。

スポンサーリンク

子犬の食事~母乳から離乳まで

子犬は生後3週間くらいまでは、母乳だけで育ちます。初乳には子犬にとって必要な免疫が備えられ、最適な栄養素がふんだんに含まれており、この初乳を飲ませることにより、子犬は抵抗力を付けるのです。

生後3~4週間くらいになると、子犬は徐々に「離乳期」に入り、母乳と併用して、犬用の離乳食を食べさせます。離乳食はウェットのものから粉末を溶かすものまで様々です。初めて口にする離乳食に、最初は抵抗する子もいると思いますが、離乳期に備え、離乳期に慣らすことが必要なので、少量の離乳食に、犬用粉ミルクを混ぜて1日3回くらいあげるのが良いでしょう。

生後4週間を過ぎると、子犬にも歯が生え始め、母乳を飲ませていた母犬は、乳に歯が刺さるようになるため、子犬に母乳を飲ませることを嫌がるようになります。ここから完全に「離乳期」スタートです。もう母乳からの栄養は補給できなくなりますので、離乳食の量を増やして1日3~4回に分けてあげましょう。離乳食が始まって一番気を付けるべきことは、離乳食を嫌がって口にしないことにより、低血糖を引き起こしてしまうことがありますので注意が必要です。

生後5~6週間になると、ドッグフードに慣れさせることが必要になりますので、今まで食べさせていた離乳食に、子犬用ドッグフードを水かぬるま湯でふやかしたものを混ぜて、1日3~4回に分けて子犬に与えます。

子犬の食事~ドッグフードへの移行

生後7週間に入ると、生後2ヶ月半頃までは離乳食を外して、ドッグフードのふやかしと粉ミルクを混ぜたものを、1日3回に分けてあげるという食事方法に変わります。この頃から子犬の体はどんどん大きくなるため、子犬の体型や運動量を見ながら、毎日給餌量を調整します。ドッグフードの袋の裏に給餌量が記載されていますので、参考にすると良いでしょう。

生後2ヶ月半を過ぎた頃から、ドッグフードのドライ(ふやかさず、カリカリのまま)に切り替える必要があります。いきなり変えると、軟便になったり、食べなくなることもありますので、最初は1回の食事量の1/4をドライにして、3/4はふやかしのままで与え、少しづつドライフードの割合を増やすようにしましょう。粉ミルクはもう与えても与えなくても問題ないので、買い足さなくても大丈夫ですよ。

生後3ヶ月~4ヶ月に入ると、小さかった子犬の頃より消化も上手にできるようになるため、食事の回数は1日2回にして、1回の食事の量を増やして下さい。この時、もし愛犬がまだ軟便になるようなら、今までの食事の量と回数は変更しないで下さい。

このように、子犬の食事の与え方は、とても大変で面倒なのかもしれません。また、1日1日の愛犬の体調を見ながら与えますので、今回記述させて頂いた通りにいかないこともあるでしょう。
しかし、子犬は、この成長期に急速に成長するため、成犬の2倍の栄養分が必要になり、この時期に栄養が不足してしまうと、骨や筋肉の形成が不十分になることがあります。そのため、フードの量の調整は最低でも1週間に1度は必ず見直す必要があります。愛犬が今もこれからも健康でいられるため、子犬の食事管理はしっかり行いましょう。

子犬に必要な栄養素

子犬が健康に育つため、子犬にとって必要な栄養素があります。

【タンパク質】
筋肉や内蔵、皮膚など、子犬の健康的な身体を作るもととなります。

【DHA】
脳や目の発達をサポートします。

【脂質】
脳や筋肉に取り込まれ、エネルギー源として活用されます。

【ビタミン】
ビタミンAは、子犬の抵抗力を作るのに役立たせ、ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、健康的な骨格を作るサポートをします。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える働きがあり、ビタミンB2は、体毛や皮膚、糖質の代謝を促します。

【ミネラル】
鉄(Fe)は、ヘモグロビン中の酸素を運ぶサポートをします。カルシウムは、子犬の骨格を形成し、マグネシウムは筋肉の収縮を助け、リンは丈夫な骨や歯を作るのに役立ちます。

原材料の確認

ドッグフードを選ぶ時には、まずは「成分表示」「原材料名」を意識的に確認するようにしましょう。これは、ドッグフードを作る上で使用した材料の名前と、計測した成分を表した表示で、これらの記載は法律で定められたものです。

この、原材料名の一番上に記載があるものが、ドッグフードに一番多く含まれている材料で、後ろに記載されるにしたがって含有量が少ないという事が判断できます。犬は「雑食性」の動物ですが、粗雑なドッグフードには、多くのタンパク質を摂取できる「肉類」が非常に少ない事や、上位に表示される材料のほぼ全てが栄養価の低く、消化しにくいトウモロコシなどの「穀物類」を使用していることもあります。

中には「チキン」という商品名で記載があっても、原材料の一番上に穀物類が記載されているフードも少なくありません。ただし、こうした物の中には、フード全体の栄養バランスを均一にするために、穀物量を多くしているフードもありますので、一概に「過大表現」しているわけではありません。

成犬や老犬のドッグフードと、子犬のドッグフードの必要なカロリー量や栄養素は違うため、原材料は極端に違えども幾らかの成分量や栄養素には違いがあるはずです。
こうした知識が、飼い犬の肥満を防ぐことや健康維持に繋がりますので、ドッグフードに関わらず、おやつなども買う時は注意深く調べてみることをおすすめします。

子犬が食べてはいけないもの

【チョコレート・ココア】
犬は人間と違って、これらに含まれるテオブロミンという物質を分解することができないため、嘔吐や下痢を引き起こし、最悪の場合死に至ることがあります。

【ネギ類】
玉ねぎや長ネギやニラなどのネギ類は、体内で消化すると赤血球を破壊し、貧血や嘔吐、下痢などを引き起こし、最悪の場合は死に至ります。

【キシリトール】
キシリトールに含まれているインスリンは、体内の血糖値を下げる働きがあり、摂取すると低血糖を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。

【ブドウ・レーズン】
摂取後、嘔吐や重度の腎不全を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。加工したレーズンパンも与えないで下さい。

【カフェインが含まれるもの】
カフェインが含まれるコーヒーや紅茶、緑茶を飲ませると、興奮状態になり、脈拍数が上がるなど、心臓疾患を引き起こし、最悪の場合死に至ります。

【甲殻類・貝類】
カニやエビ、イカやタコ、アワビなどは消化がしにくく、下痢や嘔吐などを引き起こします。

【アボカド】
果実や種、葉などに含まれているペルシンという物質は、人以外の動物に与えると嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こします。

この他に、大型犬に多いのですが、成長期にカルシウムを摂取すると、ドッグフードにもカルシウムが含まれているため、子犬はカルシウム過多となり、骨格の形成異常を引き起こすことがありますので、ドッグフード以外にサプリメントとして、カルシウムを与えることは避けましょう。

私たちが食事をしてる時、愛犬にジーッと見つめられると、その視線に負けてしまい、ついつい人間の食べるものをあげてしまうという方も多いのではないでしょうか。問題ないものであれば良いのですが、それは犬にとって毒になりうる食品もあります。
与えて良いものと悪いものを、飼い主さんの方できちんと把握することが必要ですが、できれば犬にとって塩分・糖分が多いとされる、人間が食べるものは与えない方が良いでしょう。

スポンサーリンク