日本のペットフードの草分け的存在でもある「ヒルズ」。中でもサイエンス・ダイエットシリーズは有名ですよね。今回はそんなヒルズのペットフードが出来るまでと、ドッグフードの内容について触れていきたいと思います。
「ヒルズ」ってどんな会社?
コリー人気の火付け役ともなった「名犬ラッシー」が大ブームを呼び、日本のペットブーム初期から、日本のペット達にプレミアムフードを提案し続けてきた「日本ヒルズ・コルゲート株式会社」。「米国の獣医師推奨」の文言でもおなじみですよね。そんなヒルズ、本社はアメリカの「Hill’s Pet Nutrition, inc.」で1907年創業の歴史ある会社で、日本には1977年から参入しています。
先ほども触れた通り、ペット先進国でもあるアメリカでは既に当たり前であったドッグフードを、まだまだ「猫まんま」や残飯の残り物等を与えていた日本のペット達へ、ドッグフードを普及させた草分け的存在でもあるでしょう。「ビタワン」や「ペディグリーチャム」が台頭している中、ヒルズの「サイエンス・ダイエット」は1個抜きん出てプレミアム路線でありました。
「ペットが長く健康な一生を全うできるよう、最新の小動物臨床栄養学を基にペットフードの研究開発を続ける」という企業理念をもつ、ヒルズのドッグフードについて調べてみましょう。
ヒルズの「サイエンス・ダイエット」の誕生まで
ヒルズのペットフードが作られたきっかけとなるのは、1939年のアメリカ。獣医師であるマーク・モーリス博士のもとへ、盲導犬協会設立の設立に向けて寄付を募るために行脚していたフランクという青年が、盲導犬バディーと共に訪れました。そんな折、盲導犬バディーが深刻な腎疾患を患ってしまい、博士は食事療法を提唱することとなります。
こうした事がきっかけとなり、食事の改善による治療法は更に研究を重ねられ、慢性的な兆候の軽減、症状の改善を助けることとなるドッグフードを開発するに至ります。そして、このドッグフードを更に研究し改善を重ねていくことで、現在でも動物病院で取り扱われる療法食の「プリスクリプション・ダイエット」が誕生します。
その後の1967年には、犬猫のライフステージに合わせた、皆さんもお馴染みのペットフード「サイエンス・ダイエット」が開発されたのでした。
「サイエンス・ダイエット」と「サイエンス・ダイエット プロ」の違いとは?
数年前にサイエンス・ダイエットも大きくリニューアルし、ラインナップも変わってきましたが、ペットショップ等でも「サイエンス・ダイエット」と「サイエンス・ダイエット プロ」という製品を見たことがあるでしょうか。筆者もショップで働いていた時に、よくお客様にプロとの違いを聞かれました。
その違いについては、サイエンス・ダイエットをベースとして考えていくと、プロの方にはより免疫力を維持させるための栄養素が配慮されているという事が言えるでしょうか。また、こういった理由からフードの原材料・配合量も若干違ってきます。
現在ではネットショップが乱立しているため、ネットでも購入できるようになってしまっていますが、基本的にはサイエンス・ダイエット プロは、ペットショップやプロショップでのみ取扱いしている商品なので、しっかりとフードのアドバイスを受けられる場所での購入をおすすめします。
スポンサードリンク
サイエンス・ダイエット プロシリーズ
「サイエンス・ダイエット」のシリーズは、大きく「レギュラー用」と「小型犬用」に別れ、それぞれ「パピー」「アダルト」「ライト」「シニア」「シニアライト」「シニアプラス(10歳以上用)」「シニアアドバンスド(13歳以上用)」といったラインアップが揃います。
それに対し「サイエンス・ダイエット プロ」シリーズは、
・発育(〜12ヶ月用)
・活力(栄養素をバランス良く配合)
・皮膚(食物アレルギーに配慮)
・体重管理(カロリー・脂肪分オフ)
・腎臓・心臓(タンパク質・ミネラルの配合に配慮)
・脳(高レベルの抗酸化成分ブレンド)
・関節(EPAの配合に配慮)
・避妊・去勢(独自ブレンドで健康に配慮)
と、他のメーカーには見かけないような切り口でのラインアップになっています。
それぞれに配合量が違っていたり、プラスαで配合しているものが変わっていたりしているので、しっかりとフードの内容に沿った物を愛犬に与えることで、より健康な体を維持できるドッグフードとなるでしょう。
カロリーもプロシリーズとは異なる
「サイエンス・ダイエット」と「サイエンス・ダイエット プロ」は上記のような違いがありますが、カロリーに関しても同じ用途・年齢用であっても異なってきます。
サイエンス・ダイエットシリーズでは、「小型犬用」「レギュラー用」「大型犬種用」の3つに大きく分かれていますが、サイエンス・ダイエット プロシリーズでは「小粒」「小型犬用」の2種に分かれます。(7歳〜のシニア用に関しては小型犬用と普通粒に2タイプ」)
ドッグフードの粒サイズも変わりますが、カロリーも両タイプでは違いがあります。成犬用で比較していくと、
サイエンス・ダイエットシリーズ
・「小型犬 アダルト(成犬用)」では100gあたり374kcal
・「レギュラー アダルト小粒」「レギュラー アダルト普通粒」の両タイプは100gあたり372kcal
・「大型犬種用 アダルト 成犬用」では100gあたり371kcal
というカロリー量。
一方、サイエンス・ダイエット プロでは
・「健康ガード 活力 小粒」は100gあたり366kcal
・「健康ガード 活力 小型犬用」では、100gあたり367kcal
という違いになります。
ライトのカロリー量にも違いがあります
このように、単純に比較していくとサイエンス・ダイエットよりも、プロシリーズのほうがカロリーが控えめなフードとなっていますが、他のラインアップではどうでしょうか。
肥満傾向の犬がターゲットとなるカロリー抑えめのシリーズでは、サイエンスダイエットの「ライト(肥満傾向の成犬用)」は100gあたり314kcalというカロリー量ですが、サイエンス・ダイエット プロでは「体重管理(1歳〜6歳)」は100gあたり299kcalと大きく違ってきます。
同じサイエンス・ダイエットですが、やはりプロシリーズの方がカロリーは控えめという内容に。このようにプロとの違いが明確に出ているので、より高い効果を期待するのであれば、やはりプロシリーズを選択するのが望ましいでしょう。
高齢犬用はラインアップに違いも
続いて高齢犬用のドッグフードはどうでしょうか。
小型犬用で比較していくと、サイエンス・ダイエットでは「シニア(7歳以上)」に加え、「シニアプラス(10歳以上)」「シニア アドバンスド(13歳以上)」と、7歳から13歳まで細かくラインアップされています。
一方、サイエンス・ダイエット プロでは「アクティブシニア(7歳〜)」と、7歳以降用は1製品となっています。カロリーに関しては、366kcal/100gとなっておりますが、サイエンス・ダイエットシリーズでは、シニア用が365kcal/100g、シニアプラスが369kcal/100g、シニア アドバンスドが371kcal/100gと、高齢になるにつれて高いカロリー量へと移行していっています。
偏食の愛犬には嬉しい「100%満足保証」
いくら良いドッグフードをあげていても、愛犬がしっかりと食べてくれなければ意味がありませんよね。小型犬に多く見られますが、「偏食」持ちの犬はたくさんいますよね。昨日までは食べていたのに急に食べなくなったり、いつもいやいや食べていたり・・
本人の性格や甘えもチラホラ見えてきますが、こういった犬のため?飼い主さんのため?に、ヒルズでは「100%満足保証」と言うサービスを展開しています。これは、愛犬がもし食べなくても、送料だけ負担すればフード代金を返金してもらえるというもの。
詳しくはヒルズのホームページ(http://www.hills.co.jp/news2/guarantee100/)を確認して頂きたいのですが、気を付けるべき点は購入時のレシートが必要になる点です。そのため、前項でも触れた通り、レシートが発行されないようなネットショップでの購入や、オークションでの購入ではレシートが発行されませんので、購入に際しては万が一に備え、正規販売店で購入するようにしましょう!
スポンサードリンク
ヒルズの口コミは?
サイエンス・ダイエット、サイエンス・ダイエット プロ共に、口コミに関しては上々で、食いつきも良いという意見が多いようです。しかし、排便の回数が増えたという口コミもあるので、飼い主さんによっても意見が別れるところかもしれません。
継続的に与えている方も、食いつきが変わらずによく食べているという口コミもありますので、食いつきが悪い犬は試してみても良いかもしれません。
また、チラホラと目立つ口コミには、近年の値上がりに対する口コミが多いですが、為替や物価高による値上げで、ヒルズに限らず多くのメーカーが値上げ+容量減を行っているため、正直なところ仕方がないという感じがします。
より質の良い物を与えるのであれば、内容の改悪も行われているフードもありますので、質を落としての値上げにならないだけマシかもしれません。
ヒルズのドッグフードを評価してみると
便の量でドッグフードの良し悪しを決めることは難しいですが、一般的には穀物類の含有量が多めですと、便の量が増えたり、一度の量が多かったりという状態になります。
サイエンス・ダイエット(アダルト 成犬用)を例に取ってみると、「トウモロコシ」「小麦」と続き、「トリ肉(チキン、ターキー)」と続きます。
サイエンス・ダイエットプロ(健康ガード 活力)を例に取ると、「チキン」「小麦」「大麦」と続きます。
穀物類の含有量もやや多めの印象ですので、消化能力の弱い犬は便の量が増えたりと言ったこともあるかもしれませんが、サイエンス・ダイエットプロに関しては、ヒルズ独特のラインアップが揃いますので、愛犬にはまれば、飼い主さんにとっても安心のおけるフードになることでしょう。
スポンサーリンク