アイムスは日本でも人気の高いペットフードメーカーの一つですが、ネットでも話題の多いカナガンと比較してみると、どちらの方がより良いキャットフードなのでしょうか。

今回はカナガン キャットフードとアイムスの成猫用 インドアキャット チキンを比較していきたいと思います。

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カナガンとは


イギリス原産のキャットフード「カナガン」は、動物性タンパク源を60%以上配合した高タンパク質なキャットフードで知られ、穀物類も一切含まないグレインフリー(穀物不使用)のキャットフードです。

特に猫は完全な肉食動物ですので、タンパク質はより必要となる成分です。タンパク質は猫の筋肉を健康に維持するのにも必要不可欠なもので、育ち盛りの幼猫や活発な成猫にとって重要な成分でもあります。

このように、カナガンは本来猫が必要とする食性に沿ったキャットフードでもあり、より自然な栄養をキャットフードから摂取することができる製品ですが、この他にも人工添加物を使用していない事や、使用される原材料はヒューマングレードの品質の素材を使用しているなど、食の安全面においても安心のおけるキャットフードでもあります。

アイムスとは

日本市場でも人気の高い「アイムス」。十年以上前から日本市場でも販売される老舗ブランドの一つですが、CMでもお馴染みのアイムスの特徴となるのは体の健康と美味しいご飯であるという事です。

アイムスにもいくつかのラインナップがありますが、今回はカナガンとの比較として成猫用のインドアキャット チキンを比較していきたいと思います。

アイムスのラインナップは年齢別に分けられており、12ヶ月までの子猫用、1歳以上からの成猫用、シニア猫用には7歳以上、11歳以上、15歳以上と揃います。近年は猫の寿命も伸びてきているため、より高齢猫に配慮したキャットフードの需要も伸びてきていますが、15歳以上の高齢猫用は他のフードメーカーから見ても珍しいラインナップとなっています。

また、同じ成猫用の中でも猫の状態に合わせて、室内猫用、体重管理用、毛玉のケア、下部尿路・口腔ケア、避妊・去勢猫用といった、状態に合わせたラインナップも揃っているのが特徴です。

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カナガンとアイムスの原材料を比較

では具体的にカナガンとアイムスの原材料を比較していきましょう。

【カナガン キャットフード 原材料】
乾燥チキン35.5%、骨抜きチキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、鶏脂4.2%、乾燥全卵4%、チキングレイビー2.3%、サーモンオイル1.2%、ミネラル類(硫酸亜鉛一水和物、硫酸第一鉄水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、アルファルファ、クランベリー、タウリン、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニスの実、コロハ

【アイムス 成猫用 インドアキャット チキン 原材料】
肉類(チキンミール、チキンエキス、家禽ミール)、とうもろこし、植物性タンパク、大麦、油脂類(鶏脂)、家禽類、食物繊維(ビートパルプ、オリゴ糖)、ユッカ、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、コリン、ナイアシン、葉酸)、ミネラル類(亜鉛、カリウム、クロライド、鉄、銅、ナトリウム、ヨウ素、リン)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸、BHA、BHT)

カナガンの主原料は「乾燥チキン」「骨抜きチキン生肉」を筆頭に、60%以上の動物性タンパク源が使用されています。対して、アイムスの主原料もチキンにはなりますが「肉類」とし、「チキンミール」「チキンエキス」「家禽ミール」と混合されています。

安価なキャットフードには、副産物等も含まれた「ミール類」の使用が目立ちますが、アイムスに関しても特別な表記がなかったため、副産物を含んだチキンミールや家禽ミールである可能性はあります。

副産物は栄養価のないような部位も含まれ、消化吸収を行う上でも疑問の残るような原材料ではあります。同じ動物性タンパク源でも、カナガンに使用される動物性タンパク源とアイムスに使用される動物性タンパク源では、品質の違いも見られるでしょう。

カナガンは動物性タンパク源に対してのこだわりもありますので、原材料での比較では、カナガンのほうが優勢と言えるでしょう。

カナガンとアイムスの成分を比較


続いてカナガンとアイムスの成分を比較していきたいと思います。

【カナガン キャットフード 成分】
タンパク質:37%、脂質:20%、粗繊維:1.5%、灰分:8.5%、水分:7%、オメガ6脂肪酸:2.99%、オメガ3脂肪酸:0.82%、リン:1.4%、マグネシウム:0.09%、ナトリウム:0.8%、カルシウム:1.58%、カリウム:0.7%、カロリー(100gあたり):約390Kcal

【アイムス 成猫用 インドアキャット チキン 成分】
タンパク質:30.6%、脂質:12.6%、粗繊維:3%、灰分:8%、水分:7.5%、オメガ6脂肪酸:2.5%、リン:1.1%、マグネシウム:0.08%、カルシウム:1.1%、カロリー(100gあたり):約366Kcal

カナガンは動物性タンパク源を豊富に含んでいますので、タンパク質も37%と高め。対してアイムスは30.6%と一般的なタンパク質量となります。

脂質もカナガンのほうが20%と高く、カロリーに関しても390Kcal/100gとアイムスよりも高い数値となっています。

栄養価の高いカナガンですが、ある程度活発な猫でなければ、肥満を引き起こしてしまう可能性もあります。カナガンの成分値は活発な成猫であれば十分に消費できるカロリーですが、高齢猫にとってはやや高めのカロリーかもしれません。

この点においては、オールステージ対応(全年齢対応)のカナガンよりも、より細かく高齢猫にケアが行えるラインナップが揃っているアイムスのほうが安心感はあるかもしれませんね。

ポイントとなるのはグレインフリー

カナガンは穀物を使用しないグレインフリーのキャットフードですが、アイムスは「とうもろこし」や「大麦」といったように、穀物の含有量も高いキャットフードです。

猫にとって最適な食材は動物性タンパク源であり、穀物はさほど必要としていない食材です。猫は穀物類を消化するのが苦手であり、大量に摂取してしまうと消化不良を引き起こしてしまう可能性もありますが、同時に肥満を引き起こす要因にもなります。

穀物は消化がしにくい反面、腹持ちが良いということがポイントとなりますが、それだけ体が消化するために負担をかけているということに繋がってきます。特に高齢になると消化機能も弱まってきますので、出来る限り消化のしやすい食材を、体に負担を掛けること無く摂取するのが理想的です。

穀物はこうした点でも不向きな原材料とも言えるでしょう。

人工添加物の使用


アイムスの原材料で気になる点が人工添加物を使用している点です。「BHA(ブチルヒドロキシアニソール)」や「BHT(ブチルヒドロキシトルエン)」がそれに当たりますが、これらの人工添加物は発がん性を疑われる添加物であり、近年では使用をやめるフードメーカーも増えてきています。

摂取量も相当な数値でなければ特に問題はないと言われているこれらの人工添加物ですが、やはり飼い主さんの気持ちとしては、出来る限り与えたくはないと思うことでしょう。

カナガンに関しては人工添加物を使用せず、自然由来の添加物で対応していますが、カナガンと同じように自然由来の添加物に切り替えているフードメーカーもありますので、安心や安全をうたうのであればアイムスにも対応してほしいところです。

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年々向上するフードのクオリティ

アイムスの成分だけを見てみると一般的な成分値で、長期的に見た時に愛猫にも与えやすいキャットフードだと思いますが、原材料についてはあまり良い印象を持たないというのが正直なところです。

前述の通り、原材料のミール類や人工添加物の使用が原因にあたるものですが、最近のキャットフードはクオリティーも上がってきていますので、こうした原材料は少し時代遅れになり始めています。

一方でカナガンもネットで話題に上がっている事が多く、少し胡散臭い印象を持たれるキャットフードでもありますが、内容をしっかり確認すると、活発な猫にとっては最適と言えるキャットフードになっています。

最近では販売の手法も変わりつつありますので、こうした情報に惑わされること無く、飼い主さんがある程度の知識をつけておくというのも大事なことでです。

プロ目線から見たカナガンとアイムス

品質で見ていくと、カナガンのほうが良質のキャットフードであると言えますが、ネックとなるのはその価格。アイムスは量販店などでも安売りされる機会が多いキャットフードですが、カナガンは店舗で購入することができません。

ウェブからの注文のみとなりますが、定期購入することで安く購入することは可能であるものの、やはりアイムスと比較すると価格は高いと感じられるでしょう。

しかしながら、愛猫の健康維持を考えるのであれば、やはり高品質なキャットフードを与えたいと思うことでしょう。キャットフードの価格は品質とイコールになっているとも言えますので、価格が高いものほど、使用している原材料も高品質であると言えます。

今回、この両フードを比較してきましたが、全体的にカナガンの方がより良質なキャットフードであると言えるでしょう。アイムスに関しては並レベルのキャットフードと言えますので、より高品質を求めるのであればカナガンを選ぶべきでしょう。

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